2014年10月26日日曜日

お知らせ(2014年11月)

ジェンダー史学会ニューズレター        2014年11月号
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このニューズレターには、会員の皆様からお寄せいただいたジェンダー史研究
関連の催事の情報のほか、公募や出版の情報などさまざまなジェンダー史研
究関連の情報を掲載する予定です。
情報をお気軽にお寄せいただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げま
す。
情報をお持ちの方は、毎月25日までに、
genderhistory1@khh.biglobe.ne.jp
までメール(テキストファイル)にてお寄せください。とりまとめて、毎月末に会員
の皆様に宛てて配信いたします。
次回の配信日は2014年11月末を予定しており、締め切りは11月25日(火)
となります。

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2014年11月号  目次

【 ジェンダー史学会からのお知らせ:1件 】

(1)ジェンダー史学会第11回年次大会
    日時:2014年12月14日(日) 10:00~17:30
    場所:横浜国立大学

【  催事情報:4件  】

(1) 総合女性史学会 2014年度 女性史講座
       日時:2014年11月30日(日) 14:00~17:00
       場所:文京シビックホール

(2) 国際シンポジウム「サステイナビリティとジェンダー」
    日時:2014年11月1日(土)10:30~17:00
      場所:国連大学エリザベス・ローズホール
   
(3)『アジアの出産と家族計画』書評会
       日時:2014年11月9日(日) 14:30~17:00
    場所:大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター 
      (東京都港区)

(4)第8回子ども学ECCELLシンポジウム
    日時:2014年11月21日(金) 13:20~14:50
    場所:お茶の水女子大学

【  その他のお知らせ:0件  】

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【 ジェンダー史学会からのお知らせ 】
 2014年度 第11回ジェンダー史学会年次大会             
 

 ジェンダー史学会では、2014年度第11回年次大会を以下のように開催いた
します。皆さま、どうぞふるってご参加ください。なお、ご出席の確認のた
めのアンケートは別便のメールでお送りさせていただきますので、メールが
届きましたらそちらへのご回答もよろしくお願い申し上げます。また、会場
での書籍販売についても、別にご案内させていただきます。

日時:2014年12月14日(日) 10:00~17:30
場所:横浜国立大学 教育人間科学部7号館(以下のキャンパスマップのS2-②)
      http://www.ynu.ac.jp/access/pdf/YNU_MAP_J.pdf  
アクセス
・横浜駅西口からバス(岡沢町下車徒歩10分)またはタクシー
・新横浜駅から横浜市営地下鉄(三ッ沢上町駅下車徒歩20分)またはタクシー
  http://www.ynu.ac.jp/access/index.html

問合せ先 〒166-8532 東京都杉並区和田3-30-22
大学生協学会支援センター内 ジェンダー史学会事務局
gender-event@googlegroups.com 

タイムスケジュール
受付開始   9:30~     
自由論題発表 10:00~12:15 
総会     12:30~13:15 
シンポジウム 13:30~17:30
茶話会    18:00~19:00    
大会参加費:学会会員1000円 非会員1500円
      院生(会員・非会員共通)500円 学部生 無料
茶話会参加費:1000円(申し込みは当日受付で)
*なお会場の近くには食堂はありませんので、昼食はご持参ください。
  
【シンポジウム】 原発とジェンダーの現代史
趣旨
   2011年3月11日の東日本大震災によって引き起こされた福島第一原発事故は、
私たちに大きな衝撃を与えました。しかし、それから3年半の時が経過した現在、
「復興」の掛け声とともに国家の成長戦略が声高に叫ばれるなかで、原発事故
をすでに収束したものと見なす動きは強まっていると言わざるをえません。冷静
に考えるならば、実際には「復興」という言葉からはほど遠い被災地や被災者、
原発復旧作業に従事する労働者らの状況、増え続ける汚染水や放射能の危険
性など、多くの問題などが厳然として存在することは明らかであるにもかかわら
ずです。
   ここで、原発事故後に、命をめぐる強い危機意識に突き動かされながら議論が
巻き起こったことを想起したいと思います。特に、大戦後に平和で豊かな暮らしの
実現に向けて邁進し、さらに今日は実際にそれを達成した社会である、という私
たちのこれまでの現代史認識が根底から揺さぶられたことを忘れるべきではない
でしょう。本シンポでは、3.11の原発事故の後に新たに切り開かれた視点をふまえ、
あらためて多くの犠牲を生む原発を生み出した現代史の構造、そしてそれにかか
わる人びとあり方の問題をテーマに据えて議論し共に考えることとしたいと考えま
す。
  原発や核をめぐるこれまでのフェミニズムや女性学をふり返ると、それに対峙す
る主体としての「女性」について、活発な議論が進められてきたことがわかります。
核兵器に反対する平和運動の主体としての女性に焦点をあてる研究の蓄積があ
り、3.11後にはさらに、ヒロシマの原爆やビキニ水爆実験に抗する平和運動を緻密
に検証した研究が進んでいます。また他方で、平和運動の「神話化」への問い直し
やその新たな可能性に目を向けようとする研究も登場しています。
  一方、3.11後の新たに浮上した問題提起として、原発体制を作り上げてきた経緯
やその構造を問おうとする論議が高まったことは重要なことと言えます。核や原発
の開発の歴史に焦点をあわせ、核の平和利用という名目で原発を拡大した大戦後
の国家のあり方を批判的に問いながら、戦後史や戦後社会のシステムを再考しよ
うとするものです。そのなかで、とくに注目したいのは、原発(体制)を「差別」や「犠
牲」のシステム、あるいは植民地主義としてとらえる視点です。そこでは原子力の問
題を、科学技術やエネルギーの問題にとどめず、中央に対する周辺、底辺労働者、
植民地といった歴史的につくられた社会構造の問題として再考することが求められま
す。ただし、現在のこれらの議論のなかでジェンダーの問題はあまり議論されている
とは言えず、犠牲や差別のシステムを問題にするときに、それを問う主体のあり方
もあまり論点になっていないように思われます。 
 いま、ジェンダー史の側から「原発」を問うために新たな議論を提起しようとするな
らば、これまでフェミニズムや女性運動史のなかで行われてきた検証や議論と、原
発を生んだ社会構造や現代史の問題とを切り分けるのではなく、それらをあわせて
議論することが必要ではないかと考えます。ジェンダー史は、非対称的で権力関係
を含む社会構造を、そのなかに囚われる/犠牲となる/抗う人びとの立場から再検
証しようとするものです。今回のシンポをきっかけに、こうした議論を興すことができ
れば幸いです。

 報告者
加納実紀代(女性史研究者)
    「原子力の平和利用」と近代家族の成立
石山徳子(明治大学) 
    原子力発電と差別の構造
――アメリカ合衆国における放射性廃棄物処分問題を事例に
レベッカ・ジェニスン(京都精華大学)
    響き合う歴史物語――富山妙子の新作における3.11から想像する未来

コメンテーター
星乃治彦(福岡大学)、横山道史(立正大学)
趣旨説明・司会
加藤千香子(横浜国立大学)、小玉亮子(お茶の水女子大学)

【自由論題】
部会A 司会:石井香江(同志社大学) 
10:00~10:30
◆水戸部由枝(明治大学)
 性規範の多様化に揺らぐ西ドイツ社会――
            『性の図解書』論争にみる公権力側の焦り
10:35~11:05
◆平塚博子(日本大学)
 冷戦初期のアメリカにおけるメディアとジェンダー表象――
            『ライフ』誌が描いた女性たち
11:10~11:40
◆伊藤淑子(大正大学)
 響きあうペルソナ:『アリス・イン・ベッド』におけるマーガレット・フラー
11:45~12:15
◆杉村使乃(敬和学園大学)
イギリスに見る雑誌が作る第二次世界大戦下の女性像

部会B 司会:高橋裕子(津田塾大学)
10:00~10:30
◆Christine LEVY (モンテーニュ・ボルドー大学)
 日本とフランスにおけるジェンダーバッシング
10:35~11:05
◆松下里織 (神奈川大学博士課程)
  英領カナダにおける日本人娼婦──19世紀末から1920年代にかけて
11:10~11:40
◆梅野りんこ
 ジェンダーを越境したカストラート
11:45~12:15
◆林葉子(大阪大学)
 廃娼運動の日英米情報ネットワークの形成過程

部会C 司会:野村鮎子(奈良女子大学)
10:00~10:30
◆小泉 友則 (総合研究大学院大学博士課程)
 歌舞伎の性表現から子どもを遠ざけること:幕末-明治初期の議論を中心に 
10:35~11:05
◆鬼頭孝佳(名古屋大学博士課程)
 中村正直女性教育論の死角―漢文脈からの影響
11:10~11:40
◆宇野知佐子(東京女子大学博士課程) 
嘉納治五郎と東大生の「男らしさ」
11:45~12:15
◆大橋眞由美(大阪府立大学)
昭和初期『子供之友』のメディア・イベント

部会D 司会:海妻径子(岩手大学)
10:00~10:30
◆國原美佐子(東京女子大学)
 日露戦争時における日本赤十字社看護婦と外国人篤志看護婦との協働
10:30~11:05
◆井上直子(一橋大学博士課程)
 愛国婦人会の組織改編と地域・女性――分会活動を手がかりに
11:10~11:40
◆長志珠絵(神戸大学)
 戦前戦後における空襲言説の変容とジェンダー
11:45~12:15
◆徐潤雅(大阪大学博士課程)
富山妙子の作品に見る「韓国」――1970~80年代を中心に――

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【  催事情報  】
(1)総合女性史学会 2014年度 女性史講座
 
 日時:2014年11月30日(日)14:00~17:00
  場所:文京シビックホール
  講演者:竹信三恵子氏(ジャーナリスト・和光大学教授)
  タイトル:「アベノミクスで女性の貧困は解消するか~「家事ハラ」の視点
              から検証する~」
  ※ 直接会場にお越しください。

(2)国際シンポジウム「サステイナビリティとジェンダー」のご案内

 2014年11月、「持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable
 Development, ESD)に関する世界会議」の日本開催にちなみ、お茶の水女子
大学は、ジェンダー研究センターが中心となり、国連大学サステイナビリティ
高等研究所と共に「サステイナビリティとジェンダー」と題する国際シンポジ
ウムを主催いたします。
 2011年の東日本大震災、福島原子力発電所の原子力災害を経験している日本
において、ユネスコ等国際機関のアジェンダを基調報告とし、「サステイナビ
リティとジェンダー」に関わるパネル報告の機会をもつことは、日本及び国際
社会への大きな示唆となるでしょう。パネル報告では、エコロジカル・フェミ
ニズムの超克、原子力災害へ対峙するドイツ市民の活動、震災や被曝における
トラウマの分析、再生エネルギーシステムをつくる地域運動と自治体の連携な
どの論題を提示しあい、コメント、ディスカッションを行います。
http://www.igs.ocha.ac.jp/igs/IGS_Events/#05
http://jp.unu.edu/events/upcoming/sustainability-and-gender.html#overview

 日時:2014年11月1日(土)10:30-17:00(開場10:00)

 場所:国連大学エリザベス・ローズホール
   (東京、青山 地下鉄表参道駅下車)
http://jp.unu.edu/events/upcoming/sustainability-and-gender.html#location

 参加費無料
 要事前登録(定員120名)
 参加希望の方は、下記申込フォームへ記入し送信してください。
 http://www.igs.ocha.ac.jp/app-def/S-102/igswp/

 プログラム
【午前の部】10:30-12:00 持続可能な開発のための教育(ESD)とジェンダー  
・開会の辞:武内和彦国連大学上級副学長、羽入佐和子お茶の水女子大学学長
・趣旨説明:菅野琴
     (元ユネスコ職員、お茶の水女子大学ジェンダー研究センター客員研究員)
・基調報告:
 「持続可能な開発のための教育とジェンダー--未来へつなぐもの」
 スーヒョン・チョイ(ユネスコ教育局 教育・学習内容部長(ビデオメッセージ))
 「ポスト2014/2015年国際開発アジェンダとジェンダー課題」
 ヒュンジュウ・ソン(韓国両性平等教育振興院教授)
【午後の部】13:00-17:00 ジェンダーの視座を持った持続可能な社会にむけて  
・趣旨説明:舘かおる
          (お茶の水女子大学名誉教授・同ジェンダー研究センター客員研究員)
・パネリスト報告:
 「エコロジカル・フェミニズムの超克」
 萩原なつ子(立教大学教授)
 「〈不安〉から〈ヴィジョン〉へードイツ市民運動と福島との接点」
 高雄綾子(フェリス女学院大学専任講師)
 「震災におけるトラウマとジェンダー」 
 宮地尚子(一橋大学大学院教授) 
 「地域からのエネルギーシフトー3万人のまちからできること」
 岡部幸江(一般社団法人大磯エネシフト理事長)、渡辺順子(大磯町議員、元議長)
・休憩・質問受付
・全体討議
 質疑応答:基調報告者・パネリスト
 コメント: 田中由美子(JICA国際協力専門員)、
       北村友人(東京大学大学院教育学研究科准教授)ほか
・閉会の辞:足立眞理子(お茶の水女子大学ジェンダー研究センター長)

○主催:国連大学サステイナビリティ高等研究所、
        お茶の水女子大学・ジェンダー研究センター
○共催:地球環境パートナーシッププラザ
○後援:日本ユネスコ国内委員会、国立女性教育会館、国際協力機構(JICA)
○協賛:フェリス女学院大学
○問い合わせ:
国際シンポジウム「サステイナビリティとジェンダー」事務局
東京都文京区大塚2-1-1 お茶の水女子大学内
susgen@cc.ocha.ac.jp

(3)『アジアの出産と家族計画』書評会
  この春に刊行された『アジアの出産と家族計画-「産む・産まない・産めない」
身体をめぐる政治』を素材に、アジアのリプロダクションについて議論する機
会を設けました。日本を含むアジアの出産・避妊・生殖医療の状況は、20世紀
後半から現在までの間に大きく変化し、現在の私たちの生き方に大きな影響を
与えています。アジア各地のリプロダクションの変化の共通性と多様性を、当
事者の女性のリプロダクティブ・ヘルス&ライツに留意しつつ歴史的な流れの
中で論じようとしたこの論集が、どれだけのことを明らかに出来たのか。今後
のアジアのリプロダクションの展開の、どのような点に注意する必要があるの
か。さまざまな立場からリプロダクションにかかわる皆さんと議論できればと
思います。参加をお待ちしています。

 日時:2014年11月9日14:30~17:00(14:15開場)

 場所:大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター 2F研修室
    (東京都港区)
  (東京メトロ神谷町駅 羽田空港からはJR浜松町駅からタクシーで5分)
 http://www.keiho-u.ac.jp/research/asia-pacific/access.html

<報告>
 開会の挨拶に代えて「20世紀後半アジアにおけるリプロダクションの展開」 
  小浜正子(日本大学)
Ⅰ 戦後「日本」の生殖における国家と女性
 「『産む・産まない・産めない』と日本の戦後―女たちの人生」 
  田間泰子(大阪府立大学)
 「『日本一』の出生率と沖縄の子産み―日米支配と家父長制下の家族計画」 
  澤田佳世(沖縄国際大学)(書面報告)
Ⅱ 中国農村における出産の国家化と医療化
 「『一人っ子政策』前夜の中国農村―Q村における『生まない』選択の登場」 
  小浜正子
 「国家プロジェクト、医療マーケットと女性身体の間―中国農村部における
  病院分娩の推進」 
  姚毅(玉川大学)
Ⅲ アジアの家族計画における援助と国家と女性
 「『リプロダクションの文化』としての家族計画―ネパールにおける生殖統
  制の条件」 
  幅崎麻紀子(筑波大学)
 「ラオスにおける『生殖コントロール』と女性の健康―女性の健康プロジェ
  クトとしての導入」 
  嶋澤恭子(神戸市看護大学)
Ⅳ 医療化する生殖
 「医療化された出産への道程―韓国の『圧縮された近代』」 
  松岡悦子(奈良女子大学)
 「日本における不妊をめぐる身体政治―不妊治療費への健康保険適用と公費
  助成を例に」 
  白井千晶(静岡大学)
 「統括と今後の展望」
  小浜正子
  評者 柘植あづみ(明治学院大学)

 参加費:無料
 主催:科研基盤B「アジアにおけるリプロダクションの歴史的変遷-医療化の要
   因と女性への影響」(分担者:小浜正子)
 共催 リプロダクション研究会
 対象となっている書籍は
 『アジアの出産と家族計画-「産む・産まない・産めない」身体をめぐる政治』
 (小浜正子・松岡悦子編,勉誠出版,2014年)です。
 会場でも販売します(割引あり)。
 問い合わせ 小浜正子(kohama@chs.nihon-u.ac.jp
 申込み
 下の「こくちーず」申込みフォームよりお申込みいただくか、または
  kohama@chs.nihon-u.ac.jp までメールでご連絡下さい。
  http://kokucheese.com/event/index/201459/
(4)第8回子ども学ECCELLシンポジウム
 
 鼎談「子ども・戦争・歴史」
  本田 和子(お茶の水女子大学元学長)
 宮澤 康人(東京大学名誉教授) 
 山本 秀行(こども教育宝仙大学学長)
 
 日時:2014年11月21日(金) 13:20~14:50
 
 場所:お茶の水女子大学 共通講義棟2号館2階201室
(東京メトロ丸ノ内線 茗荷谷駅 徒歩7分/有楽町線 護国寺駅 徒歩8分)
 
 共催:文部科学省特別経費
    「乳幼児教育を基盤とした生涯学習モデルの構築<ECCELL>」
 
 科研費基盤研究(C)「20世紀前半のドイツにおける幼児教育の制度化と家族に
 関する社会史的研究」
 
 後援:幼児教育史学会
 
 お問い合わせ:nyuyoji-info@cc.ocha.ac.jp(ECCELL事務局)
 
 定員:300名
 
 一般公開・事前申込不要
 詳細は、
 http://www.ocha.ac.jp/event/20141016.html

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【  その他のお知らせ  】
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 会員からの催し物・募集等のお知らせについては、当学会は責任を負いま
せん。また、お問い合わせも当学会主催による催し物・募集等以外について
は、各主催者に直接お問い合わせいただけますよう、お願い申し上げます。
 
                       ジェンダー史学会事務局