2015年12月25日金曜日

お知らせ(2016年1月)

ジェンダー史学会ニューズレター        2016年1月号
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このニューズレターには、会員の皆様からお寄せいただいたジェンダー
史研究関連の催事の情報のほか、公募や出版の情報などさまざまなジェ
ンダー史研究関連の情報を掲載する予定です。
情報をお気軽にお寄せいただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し
上げます。
情報をお持ちの方は、毎月25日までに、
genderhistory1@khh.biglobe.ne.jp
までメール(テキストファイル)にてお寄せください。とりまとめて、
毎月末に会員の皆様に宛てて配信いたします。
次回の配信日は2016年1月末を予定しており、締め切りは
1月25日(月)となります。

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2016年1月号  目次
【 ジェンダー史学会からのお知らせ:0件 】
【  催事情報:1件  】 
(1) EALAIオープンセッション#10合評会 
    日時:2016年1月12日(火) 14:00-17:30
    場所:東京大学 駒場キャンパス 
   
【  その他のお知らせ:1件  】
(1)2017年バークシャー女性史会議発表者公募のお知らせ 
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【  催事情報 】
(1)EALAIオープンセッション#10合評会 
   Rethinking Representations of Asian Women: Changes, Continuity,
   and Everyday Life. Edited by Noriko Ijichi, Atsufumi Kato, Ryoko
      Sakurada. 
 【趣旨】
   アジアにおける帝国主義、植民地主義、冷戦構造、および近年の人口流
   動とグローバル化の諸相をあきらかにするうえで「女性」をめぐる表象
     と生活実践に注目することはいくつかの重要な論点を提示する。今回の
     オープンセッションでは、2015年11月に刊行されたRethinking
     Representations of Asian Women: Changes, Continuity, and Everyday
     Life(Edietd by Noriko Ijichi, Atsufumi Kato, Ryoko Sakurada.New
     York: Palgrave Macmillan, 2015)の合評会を開催する。本論集は人類
     学と社会学と視点から、アジアの女性の表象の生産、流通、流用、複数
     化、およびそれらのイメージを再文脈化する女性たちの生活実践につい
     て、家族、移動、宗教・信仰、政治参加、社会主義などのテーマに沿っ
     て議論を展開している。アジア各地の事例(日本、台湾、韓国、北朝鮮、
     モンゴル、ベトナム、マレーシア、ネパール、パキスタン)を取り上げ
     ており、地域研究としても幅広い関心を呼びおこすことが期待される。
     今回は執筆者のうち6名が集まり、各章の解説をおこなうとともに、フロ
     アを交えたディスカッションをおこなう。

 【日時】2016年1月12日(火) 14:00-17:30
 【場所】 東京大学 駒場キャンパス 国際教育研究棟 314
 【報告者】(発表順)
      櫻田涼子(育英短期大学准教授)
      加藤敦典 (東京大学特任講師)
      中川加奈子(日本学術振興会特別研究員PD)
      伊地知紀子(大阪市立大学教授)
      瀬戸徐映里奈 (京都大学大学院農学研究科博士後期課程)
      林徳仁(東京大学大学院総合文化研究科 博士後期課程)
 【使用言語】 日本語
 【題目】
    合評会 Rethinking Representations of Asian Women: Changes,
      Continuity, and Everyday Life. Edited by Noriko Ijichi, Atsufumi
      Kato, Ryoko Sakurada.
  【プログラム】 *章番号は論集の担当章
      14:00-14:10 趣旨説明 加藤敦典
      14:10-14:40 櫻田涼子(育英短期大学 准教授)
      "Working in the City and Rearing Children in the Hometown:
       Women-centered Relationships of a Patriarchal Chinese Family
       in Peninsular Malaysia"第7章
      14:40-15:10 加藤敦典 (東京大学 特任講師)
      "A Concerned Mother of the Souls in the House: The Agency of
       Vietnamese Elderly Women who Live Alone in their Home Villages"
      第8章
      15:10-15:40 中川加奈子(日本学術振興会特別研究員PD)
      "The Role of Women's Self-Help Networks in Anti-Caste
       Discrimination Movements in Nepal" 第10章
      15:40-15:50 休憩
      15:50-16:20 伊地知紀子(大阪市立大学 教授)
      "Imperial Japan and the Diving Women (Chamsu) of Jeju Island,
       South Korea" 第3章
      16:20-16:50 瀬戸徐映里奈 (京都大学大学院農学研究科 博士後期課程)
      "Everyday Practices of Immigrant Vietnamese Women in Japan in
       Obtaining Ingredients for the Food of Their Homeland" 第4章
      16:50-17:20 林徳仁(東京大学大学院総合文化研究科 博士後期課程)
      "Divorced Newcomer Korean Women in Japan: The Decision to Remain
       in Japan and Lifestyle Adjustments" 第5章

  【オープン・セッション・ウェブサイト】
      http://www.ealai.c.u-tokyo.ac.jp/ja/projects/opensession/
      ealai10rethinking_representati/
  【書籍情報】
      http://www.palgrave.com/page/detail/
      Rethinking-Representations-of-Asian-Women/
      ?sf1=barcode&st1=9781137531513

【  その他のお知らせ  】
(1)2017年バークシャー女性史会議発表者公募のお知らせ 
 
   2017年6月1日~4日まで、ニューヨーク州のHofstra University
    で開かれる第17回バークシャー女性史会議が発表者の公募を始めました。
    応募の締め切りは2016年1月15日です。
  詳細は
   http://2017berkshireconference.hofstra.edu/call-for-papers/
  をご参照ください。
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 会員からの催し物・募集等のお知らせについては、当学会は責任を負いま
せん。また、お問い合わせも当学会主催による催し物・募集等以外について
は、各主催者に直接お問い合わせいただけますよう、お願い申し上げます。
 
                       ジェンダー史学会事務局

2015年11月26日木曜日

「お知らせ」(2015年12月号)

ジェンダー史学会ニューズレター        2015年12月号
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このニューズレターには、会員の皆様からお寄せいただいたジェンダー
史研究関連の催事の情報のほか、公募や出版の情報などさまざまなジェ
ンダー史研究関連の情報を掲載する予定です。
情報をお気軽にお寄せいただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し
上げます。
情報をお持ちの方は、毎月25日までに、
genderhistory1@khh.biglobe.ne.jp
までメール(テキストファイル)にてお寄せください。とりまとめて、
毎月末に会員の皆様に宛てて配信いたします。
次回の配信日は2015年12月末を予定しており、締め切りは
12月25日(金)となります。

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2015年12月号  目次


【 ジェンダー史学会からのお知らせ:1件 】


(1)2015年度 第12回ジェンダー史学会年次大会
   詳細はhttp://ghaj.jp/


【  催事情報:2件  】  
   
(1)被爆70年 ジェンダー・フォーラム in 広島 <添付あり>
      日時:2015年12月19日(土)・20日(日)
      場所:広島市留学生会館


(2)第1回ジェンダーとアメリカ研究会
   日時:2015年12月12日(土)15:00~18:00
   場所:立教大学池袋キャンパス

【  その他のお知らせ:1件  】


(1)2017年バークシャー女性史会議発表者公募のお知らせ 


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【 ジェンダー史学会からのお知らせ 】


(1)2015年度 第12回ジェンダー史学会年次大会
   詳細はhttp://ghaj.jp/


【  催事情報  】
                                      
(1) 見る!聴く!話す!被爆70年 ジェンダー・フォーラム in 広島
    Gender Forum in Hiroshima
       2015年12月19日(土) 9:15-17:15(懇親会18:00-19:30)
               ・20日(日)10:00-19:30
       場所:広島市留学生会館
            (広島市南区荒神町1-1:広島駅南口より徒歩8分)
       主催:被爆70年・ジェンダー・フォーラム in 広島実行委員会 
      【連絡先】 TEL : 082-211-0266 / E-mail : kazokusha@enjoy.ne.jp
                 中村隆子基金・ジェンダー平等をめざす藤枝澪子基金
                ・ヒロシマピースグラント2015助成金取得
      【参加費用】2日通し券3000円(学生2000円)
                ・1日のみ1800円(学生1000円)
                ・懇親会1000円(軽食・飲み物)
          弁当代(昼)1個700円
                      (お茶付き、19・20両日とも、要事前申し込み)
       ※第一次締め切り11月末
      ※保育あり(無料、子どもは6か月~未就学児、19・20両日とも、
                   要事前申込み)
      【申し込み方法】郵便振替口座 01360-4-104253
        銀行からの振込口座 一三九店 当座0104253
        名義:被爆70年ジェンダーフォーラムin広島
      【詳細パンフレットPDF】http://hirojoken.sakura.ne.jp/
      〈思考する広島へ〉
        1945年8月6日、アメリカによって原子爆弾が投下された広島は、
      今日では「緑と水の美しい街=国際平和文化都市」となり、原爆
      による被害地として世界に向けて「平和希求メッセージ」を発信
      している。しかし、その「国際」「平和」「文化」の内実は問わ
      れることなく、ひたすら「ノー・モア・ヒロシマ」と叫ぶだけの
      スローガン都市になっているようにも見える。本フォーラムは
     「ジェンダー視点だけでは世界は語れないが、ジェンダー視点なし
      でも世界は語れない」ということを共通認識とし、「廣島・ヒロ
      シマ・広島」をジェンダー視点で検証する。そして、これまでと
      は違った「平和」への回路を拓くために、「ヒロシマという視座
      の可能性」を探る試みである。
       広島は、「記憶と忘却」という問題に満ちている。たとえば、
      被爆や原爆表象が無罪無垢の女性被害者として「女性化」「母性
      化」される傾向にあること、広島の被害が強調されることで加害
      の側面が不可視化されること、被害者を「日本人」だけに捉えが
      ちなこと、呉・岩国という日・米基地を周辺に持つ広島で性暴力
      事件が起きていてもほとんど問題にされないことなど。こうした
      傾向は、私たちの現在・未来の何を開き、閉ざしたのだろうか。
      そして広島は、現在「戦争をする国づくり」に邁進する日本政府
      にあらがう力となり得ているのだろうか。
       これまでもジェンダー視点からの問題提起は少なからず行われ
      てきたが、被爆から70年の節目を迎える今日においてさらにそれ
      を推し進めたい。そして図らずもジェンダー視点が不十分である
      がゆえに、誰と、何と出会い損ねていたのかを検証し、新たな連
      帯への道を拓く。そのための強力な〈磁場〉となるべく、これま
      でジェンダー視点やフェミニズムに関心を持ってきた、あるいは
      持とうとする市民、学生、研究者らが集い、〈思考する広島〉へ
      と一歩をすすめる。
     《第1日目: 12月19日(土)》
      ⑴ 「廣島・ヒロシマ・広島」についてのもうひとつの語り
           ――司会:木村尚子(広島市立大学)
       広島では1950年代初めから、ヒロシマの表象として「記憶の女
      性化」、「平和の母性化」が際立ってきた。「原爆乙女」「嵐の中の
      母子像」「サダコ」「夢千代日記」などがその一例として挙げられ
      るのではないか。一方、軍港都市・呉は、10年前に開館した大和
      ミュージアムに象徴されるように、「記憶の男性化」が進行して
      いるように見える。はたしてこの広島と呉のあいだは無関係と言
      えるのか。こうしたジェンダー化された平和言説や原爆表象、都
      市表象が繰り返されることによって、何が不可視化され、どんな
      政治性が生まれてきたのかを考える。
     
      登壇者:高雄きくえ(ひろしま女性学研究所)/
              河口和也(広島修道大学)/
              森田裕美(中国新聞記者)/北原恵(大阪大学)/
              中岡志保(施設職員)/平井和子(一橋大学)
      ⑵ つながるために そのⅠ――司会:有元伸子(広島大学)
       1950年半ば「原子力の平和利用」推進の一翼を担い、1970年代
      になってようやく在韓被爆者支援運動が起きた広島。そして今も日
      米の深い傷を背負う沖縄と被爆地広島との関係はいかなるものだっ
      たのか。マイノリティと連帯してきたとは決して言えない歴史をも
      つ広島は、在日・在韓朝鮮人被爆者、東日本大震災による重大な原
      発事故に苦しむ福島の人々、辺野古への米軍新基地・高江へのヘリ
      パッド基地建設阻止で闘い続ける沖縄の人々――こうした人々のア
      イデンティティ・闘い・表象もまたジェンダーの要素を帯びている
      ――とどのような形でつながることができるのだろうか。その回路
      を探る。 
      登壇者:梁東淑(大阪大学)/安錦珠(広島理論・動態研究所)/
              ウルリケ・ヴェール(広島市立大学)
              /木村朗子(津田塾大学)/新城郁夫(琉球大学)
              /村上陽子(成蹊大学)/東琢磨(批評家)
     《第2日目:12月20日(日)》
      ⑶ つながるために そのⅡ
         ――司会:安錦珠(広島理論・動態研究所)
       戦争を終わらせるための正当な手段だった、と原爆の使用を正当
      化するアメリカ。そのアメリカの核の傘の下にいながら、核兵器廃
      絶を訴え続ける日本。原爆投下を日本の植民地支配の帰結と捉え、
      それによって解放されたと考えるアジアの人々。こうした引き裂か
      れた状況と向き合い、対米従属に突き進むことなく、東アジアとの
      つながりのなかにヒロシマを位置づけることはできるのだろうか。
      ジェンダーとの絡み合いや国家・国境を横断するフェミニズムの試
      みについても考察しながら、その可能性を考える。
     
       登壇者:高橋博子(明治学院大学国際平和研究所研究員)/
               直野章子(九州大学)/鄭暎恵(大妻大学)/
               アンドレア・ゲルマー(九州大学)/阿部小涼(琉球大学)
      ⑷ フェミニズムと民族・国家・戦争―ヒロシマという視座の可能性
         ――司会:ヴェール・ウルリケ(広島市立大学)
        敗戦後の女性の参政権獲得は、在日朝鮮人の権利剥奪と表裏一体
       であったこと、女性は「平和を願う存在」だけではなく「戦争のチ
       アガール」でもあったこと、そして日米軍人のための「慰安婦」制
       度を受容してきたことなどを考えれば、「女」に位置づけられ、
      「女」(または「婦人」)として運動してきた人々も国民・民族に
       依拠し、国家と共犯関係にあったことは否定できない。それらの矛
       盾にも目を向けながらフェミニズムや女性平和運動を語り直し、ヒ
       ロシマを語る新たな視点、つまり、ジェンダー・セクシュアリティ
       ・民族・階級などを交差させながら、それらのカテゴリーに敏感な
      「ヒロシマの視座」を紡ぎだす。そしてこうした作業を通して、
      〈わたし〉たちはどのような回路を拓けば、ヒロシマを個の生存と深
       い関わりを持つ課題として捉えうるのか、さらに個々の〈わたし〉
       たちはどのようにつながりうるのかについて考える。「思考する広
       島」へ、一歩でも近づくために。
       登壇者:米山リサ(トロント大学)/
                マヤ・モリオカ・トデスキーニ(ジュネーブ大学)/
                上野千鶴子(立命館大学)/加納実紀代(女性史研究者)
      ⑸ 2日間の全体討論

(2)第1回ジェンダーとアメリカ研究会     「アメリカ合衆国における同性婚と憲法」
   
日時:2015年12月12日(土)15:00~18:00


場所:立教大学池袋キャンパス11号館3階A303教室
   http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/campusmap/


 趣旨: 2015年6月、アメリカ合衆国最高裁は同性婚を認容する判決を下しました。本報告では憲法学の観点から、本判決に至るまでのアメリカ合衆国における同性婚や同性愛者の権利に関する判例等を分析し、本判決の意義と課題について検討します。


講師: 白水 隆 氏(帝京大学法学部法律学科講師)


 コメンテーター: 西山 隆行 氏(成蹊大学法学部教授)


司会: 佐々木 卓也(立教大学法学部教授)


主催: 立教大学アメリカ研究所


事前申込制としておりますので、参加ご希望の方は、Eメールにて立教大学アメリカ研究所(ramins@rikkyo.ac.jp)までご氏名、ご所属、連絡先(E-mailアドレス)を明記してお申し込みください(参加無料)。

連絡先:立教大学アメリカ研究所
      tel: 03-3985-2633 fax: 03-3985-0279 e-mail: ramins@rikkyo.ac.jp
      website: http://www.rikkyo.ac.jp/research/laboratory/IAS/

【  その他のお知らせ  】


(1)2017年バークシャー女性史会議発表者公募のお知らせ 
 
   2017年6月1日~4日まで、ニューヨーク州のHofstra University
    で開かれる第17回バークシャー女性史会議が発表者の公募を始めました。
    応募の締め切りは2016年1月15日です。
  詳細は
   http://2017berkshireconference.hofstra.edu/call-for-papers/
  をご参照ください。


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 会員からの催し物・募集等のお知らせについては、当学会は責任を負いま
せん。また、お問い合わせも当学会主催による催し物・募集等以外について
は、各主催者に直接お問い合わせいただけますよう、お願い申し上げます。
 
                       ジェンダー史学会事務局

2015年10月26日月曜日

お知らせ(2015年11月)

ジェンダー史学会ニューズレター        2015年11月号
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このニューズレターには、会員の皆様からお寄せいただいたジェンダー
史研究関連の催事の情報のほか、公募や出版の情報などさまざまなジェ
ンダー史研究関連の情報を掲載する予定です。
情報をお気軽にお寄せいただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し
上げます。
情報をお持ちの方は、毎月25日までに、
genderhistory1@khh.biglobe.ne.jp
までメール(テキストファイル)にてお寄せください。とりまとめて、
毎月末に会員の皆様に宛てて配信いたします。
次回の配信日は2015年11月末を予定しており、締め切りは
11月25日(水)となります。

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2015年11月号  目次

【 ジェンダー史学会からのお知らせ:0件 】

【  催事情報:2件  】  
   
(1)被爆70年 ジェンダー・フォーラム in 広島
      日時:2015年12月19日(土)・20日(日)
      場所:広島市留学生会館(予定)

(2)山川菊栄生誕125周年記念シンポジウム
   日時:2015年11月3日(火・祝日)13:30~16:30
   会場:YMCAアジア青少年センター 9階ホール

【  その他のお知らせ:2件  】

(1)2017年バークシャー女性史会議発表者公募のお知らせ 

(2)「NWEC男女共同参画統計ニュースレター」第18号刊行のお知らせ

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【  催事情報  】
                                      
(1) 見る!聴く!話す!
    被爆70年 ジェンダー・フォーラム in 広島
       Gender Forum in Hiroshima
       日時:2015年12月19日(土)・20日(日)
   
    場所:広島市留学生会館(予定)
      (詳細は9月決定予定)

       主催:被爆70年・ジェンダー・フォーラム in 広島実行委員会
      【連絡先】 TEL : 082-211-0266 /
                 E-mail : kazokusha@enjoy.ne.jp
      (ジェンダー平等をめざす藤枝澪子基金・ヒロシマピースグラント
        2015助成金取得)

      〈思考する広島へ〉
      1945年8月6日、アメリカによって原子爆弾が投下された広島は、今日
     では「緑と水の美しい街=国際平和文化都市」となり、原爆による被害
     地として世界に向けて「平和希求メッセージ」を発信している。しかし、
     その「国際」「平和」「文化」の内実は問われることなく、ひたすら
     「ノー・モア・ヒロシマ」と叫ぶだけのスローガン都市になっているよ
     うにも見える。本フォーラムは「ジェンダー視点だけでは世界は語れな
     いが、ジェンダー視点なしでも世界は語れない」ということを共通認識
     とし、「廣島・ヒロシマ・広島」をジェンダー視点で検証する。そして、
     これまでとは違った「平和」への回路を拓くために、「ヒロシマという
     視座の可能性」を探る試みである。

      広島は、「記憶と忘却」という問題に満ちている。たとえば、被爆や
     原爆表象が無罪無垢の女性被害者として「女性化」「母性化」される傾向
     にあること、広島の被害が強調されることで加害の側面が不可視化され
     ること、被害者を「日本人」だけに捉えがちなこと、呉・岩国という日
     ・米基地を周辺に持つ広島で性暴力事件が起きていてもほとんど問題に
     されないことなど。こうした傾向は、私たちの現在・未来の何を開き、
     閉ざしたのだろうか。そして広島は、現在「戦争をする国づくり」に邁
     進する日本政府にあらがう力となり得ているのだろうか。
      これまでもジェンダー視点からの問題提起は少なからず行われてきた
     が、被爆から70年の節目を迎える今日においてさらにそれを推し進めた
     い。そして図らずもジェンダー視点が不十分であるがゆえに、誰と、何
     と出会い損ねていたのかを検証し、新たな連帯への道を拓く。そのため
     の強力な〈磁場〉となるべく、これまでジェンダー視点やフェミニズム
     に関心を持ってきた、あるいは持とうとする市民、学生、研究者らが集
     い、〈思考する広島〉へと一歩をすすめる。

    《第1日目: 12月19日(土)》
     [1] 「廣島・ヒロシマ・広島」についてのもうひとつの語り
         ――司会:木村尚子(広島市立大学)
       広島では1950年代初めから、ヒロシマの表象として「記憶の女性化」、
     「平和の母性化」が際立ってきた。「原爆乙女」「嵐の中の母子像」「サダコ」
    「夢千代日記」などがその一例として挙げられるのではないか。一方、軍港
     都市・呉は、10年前に開館した大和ミュージアムに象徴されるように、
    「記憶の男性化」が進行しているように見える。はたしてこの広島と呉のあ
     いだは無関係と言えるのか。こうしたジェンダー化された平和言説や原爆
     表象、都市表象が繰り返されることによって、何が不可視化され、どんな
     政治性が生まれてきたのかを考える。
     登壇者:高雄きくえ(ひろしま女性学研究所)/河口和也(広島修道大学)
     /森田裕美(中国新聞記者)/北原恵(大阪大学)/中岡志保(施設職員)
     /平井和子(一橋大学)

     [2] つながるために そのⅠ――司会:有元伸子(広島大学)
      1950年半ば「原子力の平和利用」推進の一翼を担い、1970年代になって
     ようやく在韓被爆者支援運動が起きた広島。そして今も日米の深い傷を背
     負う沖縄と被爆地広島との関係はいかなるものだったのか。マイノリティ
     と連帯してきたとは決して言えない歴史をもつ広島は、在日・在韓朝鮮人
     被爆者、東日本大震災による重大な原発事故に苦しむ福島の人々、辺野古
     への米軍新基地・高江へのヘリパッド基地建設阻止で闘い続ける沖縄の人
     々――こうした人々のアイデンティティ・闘い・表象もまたジェンダーの
     要素を帯びている――とどのような形でつながることができるのだろうか。
     その回路を探る。 

     登壇者:梁東淑(大阪大学)/安錦珠(広島大学)/松本麻里(批評家)
     /木村朗子(津田塾大学)/新城郁夫(琉球大学)/村上陽子(成蹊大学)
     /東琢磨(批評家)

    《第2日目:12月20日(日)》
     [3] つながるために そのⅡ――司会:安錦珠(広島大学)
      戦争を終わらせるための正当な手段だった、と原爆の使用を正当化する
     アメリカ。そのアメリカの核の傘の下にいながら、核兵器廃絶を訴え続け
     る日本。原爆投下を日本の植民地支配の帰結と捉え、それによって解放さ
     れたと考えるアジアの人々。こうした引き裂かれた状況と向き合い、対米
     従属に突き進むことなく、東アジアとのつながりのなかにヒロシマを位置
     づけることはできるのだろうか。ジェンダーとの絡み合いや国家・国境を
     横断するフェミニズムの試みについても考察しながら、その可能性を考え
     る。
     登壇者:高橋博子(広島平和研究所)/直野章子(九州大学)
     /鄭暎恵(大妻大学)/アンドレア・ゲルマー(九州大学)
     /阿部小涼(琉球大学)

     [4] フェミニズムと民族・国家・戦争―ヒロシマという視座の可能性
        ――司会:ヴェール・ウルリケ(広島市立大学)
      敗戦後の女性の参政権獲得は、在日朝鮮人の権利剥奪と表裏一体であった
     こと、女性は「平和を願う存在」だけではなく「戦争のチアガール」でもあ
     ったこと、そして日米軍人のための「慰安婦」制度を受容してきたことなど
     を考えれば、「女」に位置づけられ、「女」(または「婦人」)として運動
     してきた人々も国民・民族に依拠し、国家と共犯関係にあったことは否定で
     きない。それらの矛盾にも目を向けながらフェミニズムや女性平和運動を語
     り直し、ヒロシマを語る新たな視点、つまり、ジェンダー・セクシュアリテ
     ィ・民族・階級などを交差させながら、それらのカテゴリーに敏感な「ヒロ
     シマの視座」を紡ぎだす。そしてこうした作業を通して、〈わたし〉たちは
     どのような回路を拓けば、ヒ ロシマを個の生存と深い関わりを持つ課題とし
     て捉えうるのか、さらに個々の〈わたし〉たちはどのようにつながりうるの
     かについて考える。「思考する広島」へ、一歩でも近づくために。
      登壇者:米山リサ(トロント大学)/マヤ・モリオカ・トデスキーニ
     (ジュネーブ大学)/上野千鶴子(東京大学)/加納実紀代(女性史研究者)

     [5] 2日間の全体討論

(2)  山川菊栄生誕125周年記念シンポジウム
       日時:11月3日(火・祝日)13:30~16:30
    会場:YMCAアジア青少年センター 9階ホール
       (www.ymcajapan.org/ayc/jp)
    趣旨:草創期の日本のフェミニズム思想と運動をつねにリードした山川
       菊栄には、歴史家としての側面がある。生活に根ざし、社会的弱
       者の視点に立った、山川の歴史叙述を読み直すことを通じて、一
       つの国や民族を超える歴史を探りたい。
    プログラム
     1.基調講演
      ◆鈴木裕子
     (山川菊栄記念会、早稲田大学ジェンダー研究所招聘研究員、女性史)
      「歴史家山川菊栄の今日的意義」
     2.シンポジウム
      発題者:
      ◆関口すみ子
      (法政大学法学部教授、思想史・ジェンダー史)
       「自己史を通して時代を証言する-『おんな二代の記』を中心に」
      ◆マリオン・ソシエ
      (フランス国立東洋言語文化大学日本学研究センター 
       プロフェッソルアグレジェ、思想史)
       「幕末明治時代の女性像―福沢諭吉の『日本婦人論』から山川菊栄まで」
      ◆加納実紀代
      (山川菊栄記念会、元敬和学園大学特任教授、女性史・ジェンダー史)
       「戦時下農村から近代日本を透視する-『わが住む村』を中心に」
       司会:有賀夏紀
       (山川菊栄記念会、埼玉大学名誉教授、アメリカ史・ジェンダー史)
 
     ・資料代 500円
 
     〒101-0064
     東京都千代田区猿楽町 2 - 5 - 5
     Tel : 03-3233-0611
     ・水道橋駅(JR総武線、JR中央線)東口徒歩5分 ・水道橋駅(都営三田線)
          徒歩7分・御茶ノ水駅(R総武線、JR中央線)徒歩9分 ・神保町駅(東京メト
          ロ半蔵門線、都営三田線、都営新宿線) 徒歩7分

    主 催 : 山川菊栄記念会 http://yamakawakikue.com
         ジェンダー平等をめざす藤枝澪子基金助成事業
        連絡先:山川菊栄記念会
                〒251-0032 藤沢市片瀬360-10 B-307
                電話:090-2165-4038 FAX:0466-26-6135
                Mail y.kikue@shonanfujisawa.com

【  その他のお知らせ  】

(1)2017年バークシャー女性史会議発表者公募のお知らせ 
 
   2017年6月1日~4日まで、ニューヨーク州のHofstra University で開かれる
  第17回バークシャー女性史会議が発表者の公募を始めました。応募の締め切りは
  2016年1月15日です。
  詳細は http://2017berkshireconference.hofstra.edu/call-for-papers/
  をご参照ください。

(2)「NWEC男女共同参画統計ニュースレター」第18号刊行のお知らせ
     
    www.nwec.jp/jp/publish/GS-NL.html
   今号は、10月20日刊行された『世界の女性2015』の紹介を、国連統計部次長の
  大崎敬子さんにわかりやすく書いていただきました。
   地方の男女共同参画統計活動は、北九州市が6年ぶりに出した男女共同参画統計
  データ集を取り上げました。
   また、北京会議から20年ということで、今年3月第59回国連女性の地位委員会の
  オフィシャル・ミーティングとして開催されたパネル討論会「証拠の構築と結果の
  監視:ジェンダー統計と指標」の概要もご紹介しています。
   ご覧いただき、ご意見・ご感想をぜひお寄せください。
 
  国立女性教育会館情報課
  TEL: 0493-62-6727(ダイヤルイン)
  FAX: 0493-62-6721
  e-mail: infodiv@nwec.jp
  NWEC・HPはこちら→http://www.nwec.jp/
  女性情報ポータル(総合窓口)"Winet"はこちら→http://winet.nwec.jp/
  ☆NWECは宿泊研修施設です。ご利用お待ちしております。
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 会員からの催し物・募集等のお知らせについては、当学会は責任を負いま
せん。また、お問い合わせも当学会主催による催し物・募集等以外について
は、各主催者に直接お問い合わせいただけますよう、お願い申し上げます。
 
                       ジェンダー史学会事務局

2015年9月25日金曜日

お知らせ(2015年10月)

ジェンダー史学会ニューズレター        2015年10月号
****************************************************************

このニューズレターには、会員の皆様からお寄せいただいたジェンダー
史研究関連の催事の情報のほか、公募や出版の情報などさまざまなジェ
ンダー史研究関連の情報を掲載する予定です。
情報をお気軽にお寄せいただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し
上げます。
情報をお持ちの方は、毎月25日までに、
genderhistory1@khh.biglobe.ne.jp
までメール(テキストファイル)にてお寄せください。とりまとめて、
毎月末に会員の皆様に宛てて配信いたします。
次回の配信日は2015年10月末を予定しており、締め切りは
10月25日(土)となります。

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2015年10月号  目次
【  催事情報:4件  】  
   
(1)被爆70年 ジェンダー・フォーラム in 広島
      日時:12月19日(土)・20日(日)
      場所:広島市留学生会館(予定)
(2)総合女性史学会 近世例会
   「11代将軍の娘の花嫁道中――溶姫を例に」
   日時:9月26日(土)13:30~15:45 
   場所:文京区男女平等センター 
(3)総合女性史学会 近現代史例会   
   「高群逸枝と村上信彦―戦後女性史を立ち上げた同志 」
   日時:10月18日(日) 13:30~16:30
   場所:文京区男女平等センター 
(4)山川菊栄生誕125周年記念シンポジウム
   日時:11月3日(火・祝日)13:30~16:30
   会場:YMCAアジア青少年センター 9階ホール
  
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【  催事情報  】
                                      
(1) 見る!聴く!話す!
    被爆70年 ジェンダー・フォーラム in 広島
       Gender Forum in Hiroshima
       日時:2015年12月19日(土)・20日(日)
   
    場所:広島市留学生会館(予定)
      (詳細は9月決定予定)

       主催:被爆70年・ジェンダー・フォーラム in 広島実行委員会
      【連絡先】 TEL : 082-211-0266 /
                 E-mail : kazokusha@enjoy.ne.jp
      (ジェンダー平等をめざす藤枝澪子基金・ヒロシマピースグラント
        2015助成金取得)

      〈思考する広島へ〉
      1945年8月6日、アメリカによって原子爆弾が投下された広島は、今日
     では「緑と水の美しい街=国際平和文化都市」となり、原爆による被害
     地として世界に向けて「平和希求メッセージ」を発信している。しかし、
     その「国際」「平和」「文化」の内実は問われることなく、ひたすら
     「ノー・モア・ヒロシマ」と叫ぶだけのスローガン都市になっているよ
     うにも見える。本フォーラムは「ジェンダー視点だけでは世界は語れな
     いが、ジェンダー視点なしでも世界は語れない」ということを共通認識
     とし、「廣島・ヒロシマ・広島」をジェンダー視点で検証する。そして、
     これまでとは違った「平和」への回路を拓くために、「ヒロシマという
     視座の可能性」を探る試みである。

      広島は、「記憶と忘却」という問題に満ちている。たとえば、被爆や
     原爆表象が無罪無垢の女性被害者として「女性化」「母性化」される傾向
     にあること、広島の被害が強調されることで加害の側面が不可視化され
     ること、被害者を「日本人」だけに捉えがちなこと、呉・岩国という日
     ・米基地を周辺に持つ広島で性暴力事件が起きていてもほとんど問題に
     されないことなど。こうした傾向は、私たちの現在・未来の何を開き、
     閉ざしたのだろうか。そして広島は、現在「戦争をする国づくり」に邁
     進する日本政府にあらがう力となり得ているのだろうか。
      これまでもジェンダー視点からの問題提起は少なからず行われてきた
     が、被爆から70年の節目を迎える今日においてさらにそれを推し進めた
     い。そして図らずもジェンダー視点が不十分であるがゆえに、誰と、何
     と出会い損ねていたのかを検証し、新たな連帯への道を拓く。そのため
     の強力な〈磁場〉となるべく、これまでジェンダー視点やフェミニズム
     に関心を持ってきた、あるいは持とうとする市民、学生、研究者らが集
     い、〈思考する広島〉へと一歩をすすめる。

    《第1日目: 12月19日(土)》
     [1] 「廣島・ヒロシマ・広島」についてのもうひとつの語り
         ――司会:木村尚子(広島市立大学)
       広島では1950年代初めから、ヒロシマの表象として「記憶の女性化」、
     「平和の母性化」が際立ってきた。「原爆乙女」「嵐の中の母子像」「サダコ」
    「夢千代日記」などがその一例として挙げられるのではないか。一方、軍港
     都市・呉は、10年前に開館した大和ミュージアムに象徴されるように、
    「記憶の男性化」が進行しているように見える。はたしてこの広島と呉のあ
     いだは無関係と言えるのか。こうしたジェンダー化された平和言説や原爆
     表象、都市表象が繰り返されることによって、何が不可視化され、どんな
     政治性が生まれてきたのかを考える。
     登壇者:高雄きくえ(ひろしま女性学研究所)/河口和也(広島修道大学)
     /森田裕美(中国新聞記者)/北原恵(大阪大学)/中岡志保(施設職員)
     /平井和子(一橋大学)

     [2] つながるために そのⅠ――司会:有元伸子(広島大学)
      1950年半ば「原子力の平和利用」推進の一翼を担い、1970年代になって
     ようやく在韓被爆者支援運動が起きた広島。そして今も日米の深い傷を背
     負う沖縄と被爆地広島との関係はいかなるものだったのか。マイノリティ
     と連帯してきたとは決して言えない歴史をもつ広島は、在日・在韓朝鮮人
     被爆者、東日本大震災による重大な原発事故に苦しむ福島の人々、辺野古
     への米軍新基地・高江へのヘリパッド基地建設阻止で闘い続ける沖縄の人
     々――こうした人々のアイデンティティ・闘い・表象もまたジェンダーの
     要素を帯びている――とどのような形でつながることができるのだろうか。
     その回路を探る。 

     登壇者:梁東淑(大阪大学)/安錦珠(広島大学)/松本麻里(批評家)
     /木村朗子(津田塾大学)/新城郁夫(琉球大学)/村上陽子(成蹊大学)
     /東琢磨(批評家)

    《第2日目:12月20日(日)》
     [3] つながるために そのⅡ――司会:安錦珠(広島大学)
      戦争を終わらせるための正当な手段だった、と原爆の使用を正当化する
     アメリカ。そのアメリカの核の傘の下にいながら、核兵器廃絶を訴え続け
     る日本。原爆投下を日本の植民地支配の帰結と捉え、それによって解放さ
     れたと考えるアジアの人々。こうした引き裂かれた状況と向き合い、対米
     従属に突き進むことなく、東アジアとのつながりのなかにヒロシマを位置
     づけることはできるのだろうか。ジェンダーとの絡み合いや国家・国境を
     横断するフェミニズムの試みについても考察しながら、その可能性を考え
     る。
     登壇者:高橋博子(広島平和研究所)/直野章子(九州大学)
     /鄭暎恵(大妻大学)/アンドレア・ゲルマー(九州大学)
     /阿部小涼(琉球大学)

     [4] フェミニズムと民族・国家・戦争―ヒロシマという視座の可能性
        ――司会:ヴェール・ウルリケ(広島市立大学)
      敗戦後の女性の参政権獲得は、在日朝鮮人の権利剥奪と表裏一体であった
     こと、女性は「平和を願う存在」だけではなく「戦争のチアガール」でもあ
     ったこと、そして日米軍人のための「慰安婦」制度を受容してきたことなど
     を考えれば、「女」に位置づけられ、「女」(または「婦人」)として運動
     してきた人々も国民・民族に依拠し、国家と共犯関係にあったことは否定で
     きない。それらの矛盾にも目を向けながらフェミニズムや女性平和運動を語
     り直し、ヒロシマを語る新たな視点、つまり、ジェンダー・セクシュアリテ
     ィ・民族・階級などを交差させながら、それらのカテゴリーに敏感な「ヒロ
     シマの視座」を紡ぎだす。そしてこうした作業を通して、〈わたし〉たちは
     どのような回路を拓けば、ヒ ロシマを個の生存と深い関わりを持つ課題とし
     て捉えうるのか、さらに個々の〈わたし〉たちはどのようにつながりうるの
     かについて考える。「思考する広島」へ、一歩でも近づくために。
      登壇者:米山リサ(トロント大学)/マヤ・モリオカ・トデスキーニ
     (ジュネーブ大学)/上野千鶴子(東京大学)/加納実紀代(女性史研究者)

     [5] 2日間の全体討論

(2) 総合女性史学会 近世例会のお知らせ
    テーマ:「11代将軍の娘の花嫁道中――溶姫を例に」
    
    報告者:長島淳子(群馬大学非常勤講師ほか)
    
        日時:9月26日(土)13:30~15:45 
    ※報告終了後、16:00ごろからフィールドワーク。希望者で皇居平川門ま
     で溶姫通過の道を歩きます(約3キロメートル・雨天決行)
    
        場所:文京区男女平等センター D研修室
    
    要旨:文政10年11月、11代将軍徳川家斉の娘・溶姫は加賀藩当主前田斉
       泰との婚儀が整い、「御引移」の運びとなります。江戸城から本
       郷の加賀藩上屋敷(現東京大学本郷キャンパス)まで花嫁行列の
       通過の道筋に対し、幕府は事細かな指示を出しています。幕府と
       庶民の関係を「御引移」の条項を検討する中から浮かび上がらせ
       たいと思います。
 
(3) 総合女性史学会 近現代史例会   
    テーマ「高群逸枝と村上信彦―戦後女性史を立ち上げた同志 」
    報告者 江種(えぐさ)満子氏(日本近現代文学、文教大学名誉教授)
 
    日時:10月18日(日) 13:30~16:30
 
    場所:文京区男女平等センター B研修室  
       https://www.bunkyo-danjo.jp/access.aspx
    要旨:高群逸枝と村上信彦―この二人の女性史家は、戦後16年間書簡
       をとおして互いに励まし合いつつ、それぞれの戦後女性史学を確
       立した。このことは、村上側のご遺族が日本近代文学館に125
       通の往復書簡を寄贈されたことによって、明らかになった。館の
       『近代文学館年誌』10号(2015・3)には全書簡が翻刻公開され、
       そこに江種は論考を寄せた。今回の報告は拙論に沿って、二人が
       書簡体小説を合作するかのように親しく手紙を交わし、高群の死
       まで「相互扶助」的に仕事を進めた経緯と意義について、お話し
       したい。
   【参考文献】
         『日本近代文学館年誌』10号(2015・3)
         高群逸枝『女性の歴史』その他。
         村上信彦『女について 反女性論的考察』
             (復刊 こぶし書房1997)
            同『服装の歴史』など。
    連絡先:jimukyoku@sogojoseishi.com

(4) 山川菊栄生誕125周年記念シンポジウム
       日時:11月3日(火・祝日)13:30~16:30
    会場:YMCAアジア青少年センター 9階ホール
       (www.ymcajapan.org/ayc/jp)
    趣旨:草創期の日本のフェミニズム思想と運動をつねにリードした山川
       菊栄には、歴史家としての側面がある。生活に根ざし、社会的弱
       者の視点に立った、山川の歴史叙述を読み直すことを通じて、一
       つの国や民族を超える歴史を探りたい。
    プログラム
     1.基調講演
      ◆鈴木裕子
     (山川菊栄記念会、早稲田大学ジェンダー研究所招聘研究員、女性史)
      「歴史家山川菊栄の今日的意義」
     2.シンポジウム
      発題者:
      ◆関口すみ子
      (法政大学法学部教授、思想史・ジェンダー史)
       「自己史を通して時代を証言する-『おんな二代の記』を中心に」
      ◆マリオン・ソシエ
      (フランス国立東洋言語文化大学日本学研究センター 
       プロフェッソルアグレジェ、思想史)
       「幕末明治時代の女性像―福沢諭吉の『日本婦人論』から山川菊栄まで」
      ◆加納実紀代
      (山川菊栄記念会、元敬和学園大学特任教授、女性史・ジェンダー史)
       「戦時下農村から近代日本を透視する-『わが住む村』を中心に」
       司会:有賀夏紀
       (山川菊栄記念会、埼玉大学名誉教授、アメリカ史・ジェンダー史)
 
     ・資料代 500円
 
     〒101-0064
     東京都千代田区猿楽町 2 - 5 - 5
     Tel : 03-3233-0611
     ・水道橋駅(JR総武線、JR中央線)東口徒歩5分 ・水道橋駅(都営三田線)
          徒歩7分・御茶ノ水駅(R総武線、JR中央線)徒歩9分 ・神保町駅(東京メト
          ロ半蔵門線、都営三田線、都営新宿線) 徒歩7分

    主 催 : 山川菊栄記念会 http://yamakawakikue.com
         ジェンダー平等をめざす藤枝澪子基金助成事業
        連絡先:山川菊栄記念会
                〒251-0032 藤沢市片瀬360-10 B-307
                電話:090-2165-4038 FAX:0466-26-6135
                Mail y.kikue@shonanfujisawa.com
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 会員からの催し物・募集等のお知らせについては、当学会は責任を負いま
せん。また、お問い合わせも当学会主催による催し物・募集等以外について
は、各主催者に直接お問い合わせいただけますよう、お願い申し上げます。
 
                       ジェンダー史学会事務局

2015年8月26日水曜日

「お知らせ(2015年9月)」

ジェンダー史学会ニューズレター        2015年9月号
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このニューズレターには、会員の皆様からお寄せいただいたジェンダー
史研究関連の催事の情報のほか、公募や出版の情報などさまざまなジェ
ンダー史研究関連の情報を掲載する予定です。
情報をお気軽にお寄せいただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し
上げます。
情報をお持ちの方は、毎月25日までに、
genderhistory1@khh.biglobe.ne.jp
までメール(テキストファイル)にてお寄せください。とりまとめて、
毎月末に会員の皆様に宛てて配信いたします。
次回の配信日は2015年9月末を予定しており、締め切りは
9月25日(金)となります。

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2015年9月号  目次

【  催事情報:4件  】  
   
(1)被爆70年 ジェンダー・フォーラム in 広島
      日時:2015年12月19日(土)・20日(日)
      場所:広島市留学生会館(予定)

(2)イメージ&ジェンダー研究会 例会
      日時:2015年8月31日(月)13:30~17:50
      場所:上智大学(四ツ谷キャンパス)

(3)総合女性史学会 近世例会
   「11代将軍の娘の花嫁道中――溶姫を例に」
   日時:9月26日(土)13:30~15:45 
   場所:文京区男女平等センター 

(4)総合女性史学会 近現代史例会   
   「高群逸枝と村上信彦―戦後女性史を立ち上げた同志 」
   日時:10月18日(日) 13:30~16:30
   場所:文京区男女平等センター 
  
【  その他のお知らせ:1件  】

(1)2015年度「日本女性学習財団賞」レポート募集

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【  催事情報  】
                                      
(1) 見る!聴く!話す!
    被爆70年 ジェンダー・フォーラム in 広島
       Gender Forum in Hiroshima
       日時:2015年12月19日(土)・20日(日)
   
    場所:広島市留学生会館(予定)
      (詳細は9月決定予定)

       主催:被爆70年・ジェンダー・フォーラム in 広島実行委員会
      【連絡先】 TEL : 082-211-0266 /
                 E-mail : kazokusha@enjoy.ne.jp
      (ジェンダー平等をめざす藤枝澪子基金・ヒロシマピースグラント
        2015助成金取得)

      〈思考する広島へ〉
      1945年8月6日、アメリカによって原子爆弾が投下された広島は、今日
     では「緑と水の美しい街=国際平和文化都市」となり、原爆による被害
     地として世界に向けて「平和希求メッセージ」を発信している。しかし、
     その「国際」「平和」「文化」の内実は問われることなく、ひたすら
     「ノー・モア・ヒロシマ」と叫ぶだけのスローガン都市になっているよ
     うにも見える。本フォーラムは「ジェンダー視点だけでは世界は語れな
     いが、ジェンダー視点なしでも世界は語れない」ということを共通認識
     とし、「廣島・ヒロシマ・広島」をジェンダー視点で検証する。そして、
     これまでとは違った「平和」への回路を拓くために、「ヒロシマという
     視座の可能性」を探る試みである。

      広島は、「記憶と忘却」という問題に満ちている。たとえば、被爆や
     原爆表象が無罪無垢の女性被害者として「女性化」「母性化」される傾向
     にあること、広島の被害が強調されることで加害の側面が不可視化され
     ること、被害者を「日本人」だけに捉えがちなこと、呉・岩国という日
     ・米基地を周辺に持つ広島で性暴力事件が起きていてもほとんど問題に
     されないことなど。こうした傾向は、私たちの現在・未来の何を開き、
     閉ざしたのだろうか。そして広島は、現在「戦争をする国づくり」に邁
     進する日本政府にあらがう力となり得ているのだろうか。
      これまでもジェンダー視点からの問題提起は少なからず行われてきた
     が、被爆から70年の節目を迎える今日においてさらにそれを推し進めた
     い。そして図らずもジェンダー視点が不十分であるがゆえに、誰と、何
     と出会い損ねていたのかを検証し、新たな連帯への道を拓く。そのため
     の強力な〈磁場〉となるべく、これまでジェンダー視点やフェミニズム
     に関心を持ってきた、あるいは持とうとする市民、学生、研究者らが集
     い、〈思考する広島〉へと一歩をすすめる。

    《第1日目: 12月19日(土)》
     ⑴ 「廣島・ヒロシマ・広島」についてのもうひとつの語り
         ――司会:木村尚子(広島市立大学)
       広島では1950年代初めから、ヒロシマの表象として「記憶の女性化」、
     「平和の母性化」が際立ってきた。「原爆乙女」「嵐の中の母子像」「サダコ」
    「夢千代日記」などがその一例として挙げられるのではないか。一方、軍港
     都市・呉は、10年前に開館した大和ミュージアムに象徴されるように、
    「記憶の男性化」が進行しているように見える。はたしてこの広島と呉のあ
     いだは無関係と言えるのか。こうしたジェンダー化された平和言説や原爆
     表象、都市表象が繰り返されることによって、何が不可視化され、どんな
     政治性が生まれてきたのかを考える。
     登壇者:高雄きくえ(ひろしま女性学研究所)/河口和也(広島修道大学)
     /森田裕美(中国新聞記者)/北原恵(大阪大学)/中岡志保(施設職員)
     /平井和子(一橋大学)

     ⑵ つながるために そのⅠ――司会:有元伸子(広島大学)
      1950年半ば「原子力の平和利用」推進の一翼を担い、1970年代になって
     ようやく在韓被爆者支援運動が起きた広島。そして今も日米の深い傷を背
     負う沖縄と被爆地広島との関係はいかなるものだったのか。マイノリティ
     と連帯してきたとは決して言えない歴史をもつ広島は、在日・在韓朝鮮人
     被爆者、東日本大震災による重大な原発事故に苦しむ福島の人々、辺野古
     への米軍新基地・高江へのヘリパッド基地建設阻止で闘い続ける沖縄の人
     々――こうした人々のアイデンティティ・闘い・表象もまたジェンダーの
     要素を帯びている――とどのような形でつながることができるのだろうか。
     その回路を探る。 

     登壇者:梁東淑(大阪大学)/安錦珠(広島大学)/松本麻里(批評家)
     /木村朗子(津田塾大学)/新城郁夫(琉球大学)/村上陽子(成蹊大学)
     /東琢磨(批評家)

    《第2日目:12月20日(日)》
     ⑶ つながるために そのⅡ――司会:安錦珠(広島大学)
      戦争を終わらせるための正当な手段だった、と原爆の使用を正当化する
     アメリカ。そのアメリカの核の傘の下にいながら、核兵器廃絶を訴え続け
     る日本。原爆投下を日本の植民地支配の帰結と捉え、それによって解放さ
     れたと考えるアジアの人々。こうした引き裂かれた状況と向き合い、対米
     従属に突き進むことなく、東アジアとのつながりのなかにヒロシマを位置
     づけることはできるのだろうか。ジェンダーとの絡み合いや国家・国境を
     横断するフェミニズムの試みについても考察しながら、その可能性を考え
     る。
     登壇者:高橋博子(広島平和研究所)/直野章子(九州大学)
     /鄭暎恵(大妻大学)/アンドレア・ゲルマー(九州大学)
     /阿部小涼(琉球大学)

     ⑷ フェミニズムと民族・国家・戦争―ヒロシマという視座の可能性
        ――司会:ヴェール・ウルリケ(広島市立大学)
      敗戦後の女性の参政権獲得は、在日朝鮮人の権利剥奪と表裏一体であった
     こと、女性は「平和を願う存在」だけではなく「戦争のチアガール」でもあ
     ったこと、そして日米軍人のための「慰安婦」制度を受容してきたことなど
     を考えれば、「女」に位置づけられ、「女」(または「婦人」)として運動
     してきた人々も国民・民族に依拠し、国家と共犯関係にあったことは否定で
     きない。それらの矛盾にも目を向けながらフェミニズムや女性平和運動を語
     り直し、ヒロシマを語る新たな視点、つまり、ジェンダー・セクシュアリテ
     ィ・民族・階級などを交差させながら、それらのカテゴリーに敏感な「ヒロ
     シマの視座」を紡ぎだす。そしてこうした作業を通して、〈わたし〉たちは
     どのような回路を拓けば、ヒ ロシマを個の生存と深い関わりを持つ課題とし
     て捉えうるのか、さらに個々の〈わたし〉たちはどのようにつながりうるの
     かについて考える。「思考する広島」へ、一歩でも近づくために。
      登壇者:米山リサ(トロント大学)/マヤ・モリオカ・トデスキーニ
     (ジュネーブ大学)/上野千鶴子(東京大学)/加納実紀代(女性史研究者)

      ⑸ 2日間の全体討論

 (2) イメージ&ジェンダー研究会 例会

        日時:2015年8月31日(月)
       
        場所:上智大学(四ツ谷キャンパス)、10号館3階、301号教室

       運営会議:13:00~13:30
     研究会:  13:30~17:50
                 (*研究会後、懇親会予定)

        [1] 北原恵(大阪大学)13:30~15:20
          「"モダン"と”伝統”を生きた日本画家・谷口富美枝」

           コメンテーター:角田知扶(呉市立美術館)

        [2] Scott Tsuchitani (visual artist) 15:30~16:00
           "Questioning Japaneseness and Japanese Americanness through Visual Art"
           (発表は英語、逐次通訳あり)
 
        [3] 金子牧(カンザス大学)16:00~17:50
          「北米での日本近代美術研究と"Asian-American"Artの視座」

           コメンテーター:村井則子(上智大学)

        ■企画趣旨

         今回は、カンザス大学の金子牧さんをお招きして、「北米での日本近代
        美術研究と”Asian-American" Artの視座」についてお話しいただきます。
        最初の発表(北原恵)で取り上げる谷口富美枝は、戦後、渡米して、その
        後の半生をアメリカで終えた画家です。カンザス大学の美術館や、呉市立
        美術館は、谷口富美枝の作品を所蔵しており、呉市立美術館では今年、谷
        口の展覧会が開かれました。
         例会では日米の研究者による調査が始まりつつある谷口富美枝研究や、
        北米での日本近代美術研究の最新の状況を紹介し、サンフランシスコを拠
        点に活動するアーティストのスコット・ツチタニさんによる作品紹介をし
        ていただきます。そして、”Asian-American”Artをめぐる議論を参照し
        ながら、「日本人」アーティスト概念や研究の枠組みについても再考した
        いと思います。

        ■会場案内
          上智大学は、四ツ谷駅から徒歩5分。
          会場は、10号館3階、301号教室です。図書館前にある6階建ての白いコ
        ンクリートの建物です。
        http://www.sophia.ac.jp/jpn/info/access/accessguide/access_yotsuya

        ■共催:イメージ&ジェンダー研究会
             科研(基盤C)「軍事主義から見る女性美術家と視覚表象」

        ■お問い合わせ:imagegender@yahoo.co.jp


   ■発表要旨
     [1] 北原恵(大阪大学)
            「"モダン"と”伝統”を生きた日本画家・谷口富美枝」
        本発表は、最近、研究の始まった谷口富美枝に関する調査や資料紹介など
       を主な目的とする。谷口富美枝(仙花)は、女子美術学校と文化学院で学び、
       青龍社で活躍していた1930年代には、そのモダンな女性像で画壇で俄かに注
       目を浴びた日本画家である。戦時中には長谷川春子の率いる女流美術家奉公
       隊も参加、戦争末期、呉市に疎開した。戦後、渡米し、日系人の同人誌『南
       加文芸』に小説などの自伝的文章も残している。
        これまで渡米後の足跡については、家族にすらほとんど知られていなかっ
       たが、3年前に呉市で作品が呉市美術館に寄贈されたことから、地元の新聞記
       者や家族・学芸員・研究者らの協力で少しずつ谷口の人生がわかってきた。
       その調査の最新状況を紹介する。
       
       [2] Scott Tsuchitani
      "Questioning Japaneseness and Japanese Americanness through Visual Art"
      参考までに、http://www.scotttsuchitani.com/index.html
        
       [3] 金子牧(カンザス大学)
           「北米での日本近代美術研究と"Asian-American"Artの視座」
       本発表は、北米における日本近代美術研究の現状、そして近隣学問領域であ
      りながら紹介される機会が比較的少ないと思われるAsian-American artの研究
      史を概観・考察する。先ず、近年出版された日本近代美術関連の研究書及び博
      士論文の検証を通じ、現在の研究状況を大まかに把握する。その上で、Asian-
      Americanartの研究史へと焦点を移す。Asian-American art historyは、制度的
      サポートと社会的理解の欠如に苦しみながらも、過去四十年にわたって研究・
      展覧会活動が続けられてきた。近年、こうした努力が一定の成果を上げたと認
      識されている。更に北米におけるアジア系移民の増加・多元化といった状況を
      受け、より多層的・越境的な”Asian-American”の枠組みの構築を目指す新た
      な局面を迎えている。
       
        こうした“Asian-American” art研究の動きが、「日本」近代美術研究に示
      唆するものは決して少なくないだろう。 “Asian-American”の均質性を問い直
      す視点や“Transpacific”などの新たなフレームワークは、戦後に渡米・移住
      を選択した谷口富美枝を含む多くの「日本人」アーティストを再考するための、
      一つの視座と考えられる。

(3) 総合女性史学会 近世例会のお知らせ
    テーマ:「11代将軍の娘の花嫁道中――溶姫を例に」
    
    報告者:長島淳子(群馬大学非常勤講師ほか)
    
         日時:9月26日(土)13:30~15:45 
    ※報告終了後、16:00ごろからフィールドワーク。希望者で皇居平川門まで溶
     姫通過の道を歩きます(約3キロメートル・雨天決行)
    
         場所:文京区男女平等センター D研修室
    
    要旨:文政10年11月、11代将軍徳川家斉の娘・溶姫は加賀藩当主前田斉泰との
       婚儀が整い、「御引移」の運びとなります。江戸城から本郷の加賀藩上
       屋敷(現東京大学本郷キャンパス)まで花嫁行列の通過の道筋に対し、
       幕府は事細かな指示を出しています。幕府と庶民の関係を「御引移」の
       条項を検討する中から浮かび上がらせたいと思います。
 

(4) 総合女性史学会 近現代史例会   
    テーマ「高群逸枝と村上信彦―戦後女性史を立ち上げた同志 」
    
    報告者 江種(えぐさ)満子氏(日本近現代文学、文教大学名誉教授)
 
    日時:10月18日(日) 13:30~16:30
 
    場所:文京区男女平等センター B研修室  
       https://www.bunkyo-danjo.jp/access.aspx
    
    要旨:高群逸枝と村上信彦―この二人の女性史家は、戦後16年間書簡をとおし
       て互いに励まし合いつつ、それぞれの戦後女性史学を確立した。このこと
       は、村上側のご遺族が日本近代文学館に125通の往復書簡を寄贈された
       ことによって、明らかになった。館の『近代文学館年誌』10号(2015・3)
       には全書簡が翻刻公開され、そこに江種は論考を寄せた。今回の報告は拙
       論に沿って、二人が書簡体小説を合作するかのように親しく手紙を交わし、
       高群の死まで「相互扶助」的に仕事を進めた経緯と意義について、お話し
       したい。
   
    【参考文献】
         『日本近代文学館年誌』10号(2015・3)
         高群逸枝『女性の歴史』その他。
         村上信彦『女について 反女性論的考察』(復刊 こぶし書房1997)
            同『服装の歴史』など。
    連絡先:jimukyoku@sogojoseishi.com

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【  その他のお知らせ  】

(1)【2015年度日本女性学習財団賞レポート募集】
   http://www.jawe2011.jp/nii_awards/index2015.html
   公益財団法人日本女性学習財団では、男女共同参画社会実現のために、
  社会・地域・家庭の中でさまざまな困難や課題を乗り越えてきた過程を
  ふり返った実践・研究レポートを募集します。
   レポートの内容は、社会教育・生涯学習活動、女性運動、NPOおよ
  びNGO活動、地域活動、家庭生活、職業生活、震災経験や復興に向け
  た営みなど、はば広い領域を対象とします。
  賞-------------大 賞 1篇 副賞 10万円
                   奨励賞 2篇 副賞 各5万円
                   ※特に選考委員から推薦があった場合、
                   選考委員特別賞(副賞1万円)を設けることもあります。
  応募資格----趣旨に関心をもつ個人およびグループ。
                性別・国籍を問いません。
  締切----------2015年8月31日(月) 当日消印有効
  ※詳しくはホームページをご覧ください。
   http://www.jawe2011.jp/nii_awards/index2015.html

*********************************************************************

 会員からの催し物・募集等のお知らせについては、当学会は責任を負いま
せん。また、お問い合わせも当学会主催による催し物・募集等以外について
は、各主催者に直接お問い合わせいただけますよう、お願い申し上げます。
 
                       ジェンダー史学会事務局

2015年7月27日月曜日

お知らせ(2015年8月)

ジェンダー史学会ニューズレター        2015年8月号
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このニューズレターには、会員の皆様からお寄せいただいたジェンダー
史研究関連の催事の情報のほか、公募や出版の情報などさまざまなジェ
ンダー史研究関連の情報を掲載する予定です。
情報をお気軽にお寄せいただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し
上げます。
情報をお持ちの方は、毎月25日までに、
genderhistory1@khh.biglobe.ne.jp
までメール(テキストファイル)にてお寄せください。とりまとめて、
毎月末に会員の皆様に宛てて配信いたします。
次回の配信日は2015年8月末を予定しており、締め切りは
8月25日(火)となります。

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2015年8月号  目次

【  催事情報:2件  】  
   
(1)被爆70年 ジェンダー・フォーラム in 広島
      日時:2015年12月19日(土)・20日(日)
      場所:広島市留学生会館(予定)

(2)歴史教育の明日を探る
   ―「授業・教科書・入試」改革に向けてー
   日時:2015年8月1日(土)13:00~17:00
   場所:日本学術会議講堂

(3)イメージ&ジェンダー研究会 例会案内
   日時:2015831日(月)
   場所:上智大学(四ツ谷キャンパス)、10号館3階、301号教室
  
【  その他のお知らせ:1件  】

(1)2015年度「日本女性学習財団賞」レポート募集

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【  催事情報  】
                                      
(1)
見る!聴く!話す!
被爆70年 ジェンダー・フォーラム in 広島
Gender Forum in Hiroshima
日時:2015年12月19日(土)・20日(日)
場所:広島市留学生会館(予定) (詳細は9月決定予定)
主催:被爆70年・ジェンダー・フォーラム in 広島実行委員会
【連絡先】 TEL : 082-211-0266 /
                 E-mail : kazokusha@enjoy.ne.jp
(ジェンダー平等をめざす藤枝澪子基金・ヒロシマピースグラント 2015助成金取得)

 〈思考する広島へ〉
  1945年8月6日、アメリカによって原子爆弾が投下された広島は、今日では「緑と水の
美しい街=国際平和文化都市」となり、原爆による被害地として世界に向けて「平和
希求メッセージ」を発信している。しかし、その「国際」「平和」「文化」の内実は問われ
ることなく、ひたすら 「ノー・モア・ヒロシマ」と叫ぶだけのスローガン都市になっている
ようにも見える。本フォーラムは「ジェンダー視点だけでは世界は語れないが、ジェン
ダー視点なしでも世界は語れない」ということを共通認識とし、「廣島・ヒロシマ・広島」
をジェンダー視点で検証する。そして、これまでとは違った「平和」への回路を拓くため
に、「ヒロシマという視座の可能性」を探る試みである。
   広島は、「記憶と忘却」という問題に満ちている。たとえば、被爆や原爆表象が無罪
無垢の女性被害者として「女性化」「母性化」される傾向にあること、広島の被害が強
調されることで加害の側面が不可視化されること、被害者を「日本人」だけに捉えがち
なこと、呉・岩国という日・米基地を周辺に持つ広島で性暴力事件が起きていてもほと
んど問題にされないことなど。こうした傾向は、私たちの現在・未来の何を開き、 閉ざし
たのだろうか。そして広島は、現在「戦争をする国づくり」に邁進する日本政府にあらが
う力となり得ているのだろうか。
  これまでもジェンダー視点からの問題提起は少なからず行われてきたが、被爆から
70年の節目を迎える今日においてさらにそれを推し進めたい。そして図らずもジェンダ
ー視点が不十分であるがゆえに、誰と、何と出会い損ねていたのかを検証し、新たな
連帯への道を拓く。そのための強力な〈磁場〉となるべく、これまでジェンダー視点やフ
ェミニズムに関心を持ってきた、あるいは持とうとする市民、学生、研究者らが集い、
〈思考する広島〉へと一歩をすすめる。

    《第1日目: 12月19日(土)》
     ⑴ 「廣島・ヒロシマ・広島」についてのもうひとつの語り
         ――司会:木村尚子(広島市立大学)
       広島では1950年代初めから、ヒロシマの表象として「記憶の女性化」、
     「平和の母性化」が際立ってきた。「原爆乙女」「嵐の中の母子像」「サダコ」
    「夢千代日記」などがその一例として挙げられるのではないか。一方、軍港
     都市・呉は、10年前に開館した大和ミュージアムに象徴されるように、
    「記憶の男性化」が進行しているように見える。はたしてこの広島と呉のあ
     いだは無関係と言えるのか。こうしたジェンダー化された平和言説や原爆
     表象、都市表象が繰り返されることによって、何が不可視化され、どんな
     政治性が生まれてきたのかを考える。
     登壇者:高雄きくえ(ひろしま女性学研究所)/河口和也(広島修道大学)
     /森田裕美(中国新聞記者)/北原恵(大阪大学)/中岡志保(施設職員)
     /平井和子(一橋大学)

     ⑵ つながるために そのⅠ――司会:有元伸子(広島大学)
      1950年半ば「原子力の平和利用」推進の一翼を担い、1970年代になって
     ようやく在韓被爆者支援運動が起きた広島。そして今も日米の深い傷を背
     負う沖縄と被爆地広島との関係はいかなるものだったのか。マイノリティ
     と連帯してきたとは決して言えない歴史をもつ広島は、在日・在韓朝鮮人
     被爆者、東日本大震災による重大な原発事故に苦しむ福島の人々、辺野古
     への米軍新基地・高江へのヘリパッド基地建設阻止で闘い続ける沖縄の人
     々――こうした人々のアイデンティティ・闘い・表象もまたジェンダーの
     要素を帯びている――とどのような形でつながることができるのだろうか。
     その回路を探る。 

     登壇者:梁東淑(大阪大学)/安錦珠(広島大学)/松本麻里(批評家)
     /木村朗子(津田塾大学)/新城郁夫(琉球大学)/村上陽子(成蹊大学)
     /東琢磨(批評家)

    《第2日目:12月20日(日)》
     ⑶ つながるために そのⅡ――司会:安錦珠(広島大学)
      戦争を終わらせるための正当な手段だった、と原爆の使用を正当化する
     アメリカ。そのアメリカの核の傘の下にいながら、核兵器廃絶を訴え続け
     る日本。原爆投下を日本の植民地支配の帰結と捉え、それによって解放さ
     れたと考えるアジアの人々。こうした引き裂かれた状況と向き合い、対米
     従属に突き進むことなく、東アジアとのつながりのなかにヒロシマを位置
     づけることはできるのだろうか。ジェンダーとの絡み合いや国家・国境を
     横断するフェミニズムの試みについても考察しながら、その可能性を考え
     る。
     登壇者:高橋博子(広島平和研究所)/直野章子(九州大学)
     /鄭暎恵(大妻大学)/アンドレア・ゲルマー(九州大学)
     /阿部小涼(琉球大学)

     ⑷ フェミニズムと民族・国家・戦争―ヒロシマという視座の可能性
        ――司会:ヴェール・ウルリケ(広島市立大学)
      敗戦後の女性の参政権獲得は、在日朝鮮人の権利剥奪と表裏一体であった
     こと、女性は「平和を願う存在」だけではなく「戦争のチアガール」でもあ
     ったこと、そして日米軍人のための「慰安婦」制度を受容してきたことなど
     を考えれば、「女」に位置づけられ、「女」(または「婦人」)として運動
     してきた人々も国民・民族に依拠し、国家と共犯関係にあったことは否定で
     きない。それらの矛盾にも目を向けながらフェミニズムや女性平和運動を語
     り直し、ヒロシマを語る新たな視点、つまり、ジェンダー・セクシュアリテ
     ィ・民族・階級などを交差させながら、それらのカテゴリーに敏感な「ヒロ
     シマの視座」を紡ぎだす。そしてこうした作業を通して、〈わたし〉たちは
     どのような回路を拓けば、ヒ ロシマを個の生存と深い関わりを持つ課題とし
     て捉えうるのか、さらに個々の〈わたし〉たちはどのようにつながりうるの
     かについて考える。「思考する広島」へ、一歩でも近づくために。
      登壇者:米山リサ(トロント大学)/マヤ・モリオカ・トデスキーニ
     (ジュネーブ大学)/上野千鶴子(東京大学)/加納実紀代(女性史研究者)

      ⑸ 2日間の全体討論

 (2)
 歴史教育の明日を探る  ―「授業・教科書・入試」改革に向けてー
日時:2015年8月1日(土)13:00~17:00
場所:日本学術会議講堂(入場無料・事前予約不要)
    会場へのアクセス:http://www.scj.go.jp/ja/other/info.html

  (趣旨)
    日本学術会議・史学委員会では、これまでも高校歴史教育について、「歴史基礎」
の設置、用語の見直しやジェンダー視点を入れた教科書の書き換え等の提言を行っ
てきました。今回のシンポジウムでは、ジェンダー視点の重視とともに、模索が続く「授
業・教科書・入試」という3つの改革を連動させて、新しい歴史教育の実践を具体的に
考えたいと思います。
  第一部で「改革の三位一体」を現場の声とつなぐ議論をした後、第二部では、その
教材実例として「慰安婦」問題を取り上げます。アメリカの歴史学者らから出された「日
本の歴史家を支持する声明」(2015年5月5日)や、「「慰安婦」問題に関する日本の歴
史学会・歴史教育者団体の声明」(2015年5月25日)といった研究者の声、歴史研究の
成果は、教育現場にどのように反映されるのでしょうか。実践的に探ってみたいと思い
ます。

(プログラム)
   ◆13:00 趣旨説明 井野瀬久美恵(第一部会員・甲南大学教授)
   ◆13:10~14:40 
   第一部 授業・教科書・入試
       ~歴史教育改革を三位一体で考える~ 
   ○報告1 歴史教科書をどう書き換えるか?―ジェンダーの視点から
        三成美保(第一部会員・奈良女子大学教授)
   ○報告2 高校歴史教育のあり方をめぐる議論
        久保亨(第一部会員・史学委員会委員長・信州大学教授)
   ○報告3 制度の壁か思考の壁か?―暗記オンリーでない歴史の試験をめざ
        して
        桃木至朗(連携会員・大阪大学教授)
   ○コメント 現場の声をつなぐ
         小川幸司(長野県長野高等学校教頭)
   ◆14:50~15:45 
   第二部 教材実例としての「慰安婦」問題
       ~研究の到達点を踏まえた教育実践と市民の育成~ 
   ○報告1 長志珠絵(連携会員・神戸大学教授)
   ○報告2 小浜正子(連携会員・日本大学教授)
   ○コメント ドイツとの比較から
        姫岡とし子(連携会員・東京大学教授)
   ◆15:45~16:55 総合討論 
   司会:井野瀬久美恵・平野千果子(連携会員・武蔵大学教授)
   ◆16:55 閉会の辞 久留島典子(第一部会員・東京大学教授)
  (主催等)
   主 催:日本学術会議史学委員会歴史学とジェンダーに関する分科会
   共 催:日本学術会議史学委員会歴史認識・歴史教育等分科会
       科研費基盤研究(A)「ジェンダー視点に立つ『新しい世界史』の
       構想と『市民教養』としての構築・発信」 
       http://ch-gender.jp/wp/
   後 援:ジェンダー史学会・日本史研究会・日本教育学会
   問い合わせ先:甲南大学井野瀬研究室 kumie.inose@cao.go.jp

(3)

イメージ&ジェンダー研究会 例会案内■■■

 

 日時:2015831日(月)

 場所:上智大学(四ツ谷キャンパス)、10号館3階、301号教室

 

 ■運営会議:12:3013:30

 ■研究会:   13:3017:30

(*研究会後、懇親会予定)

 

(1)北原恵(大阪大学)13:3015:20

  「"モダン"と”伝統”を生きた日本画家・谷口富美枝」

 

  コメンテーター:角田知扶(呉市美術館)

 

 (2)金子牧(カンザス大学)15:3017:30

  「北米での日本近代美術研究と"Asian-American"Artの視座」

 

  コメンテーター:村井則子(上智大学)

 

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 ■企画趣旨

 

  今回は、カンザス大学の金子牧さんをお招きして、「北米での日本近代美術研究

と”Asian-American" Artの視座」についてお話しいただきます。二番目の発表

(北原恵)で取り上げる谷口富美枝は、戦後、渡米して、その後の半生をアメリ

カで終えた画家です。カンザス大学の美術館や、呉市美術館は、谷口富美枝の作

品を所蔵しており、呉市美では今年、谷口の展覧会が開かれました。

 例会では日米の研究者による調査が始まりつつある最新の状況を紹介し、”Asian-AmericanArt

をめぐる議論を参照しながら、「日本人」アーティスト概念や研究の枠組みにつ

いても再考したいと思います。

 

 

 ■会場案内

 上智大学は、四ツ谷駅から徒歩5分。

 会場は、10号館3階、301号教室です。図書館前にある6階建ての白いコンクリー

トの建物です。


 

 ■共催:イメージ&ジェンダー研究会

  科研(基盤C)「軍事主義から見る女性美術家と視覚表象」

 

 ■お問い合わせ:imagegender@yahoo.co.jp

 

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■発表要旨

 

(1)北原恵(大阪大学)

 「"モダン"と”伝統”を生きた日本画家・谷口富美枝」

 

 本発表は、最近、研究の始まった谷口富美枝に関する調査や資料紹介などを主

な目的とする。谷口富美枝(仙花)は、女子美術学校と文化学院で学び、青龍社

で活躍していた1930年代には、そのモダンな女性像で画壇で俄かに注目を浴びた

日本画家である。戦時中には長谷川春子の率いる女流美術家奉公隊も参加、戦争

末期、呉市に疎開した。戦後、渡米し、日系人の同人誌『南加文芸』に小説など

の自伝的文章も残している。

 これまで渡米後の足跡については、家族にすらほとんど知られていなかったが、

3年前に呉市で作品が呉市美術館に寄贈されたことから、地元の新聞記者や家族

・学芸員・研究者らの協力で少しずつ谷口の人生がわかってきた。その調査の最

新状況を紹介する。

 

 

(2)金子牧(カンザス大学)

 「北米での日本近代美術研究と"Asian-American"Artの視座」

 

 本発表は、北米における日本近代美術研究の現状、そして近隣学問領域であり

ながら紹介される機会が比較的少ないと思われるAsian-American artの研究史を

概観・考察する。先ず、近年出版された日本近代美術関連の研究書及び博士論文

の検証を通じ、現在の研究状況を大まかに把握する。その上で、Asian-American

artの研究史へと焦点を移す。Asian-American art historyは、制度的サポート

と社会的理解の欠如に苦しみながらも、過去四十年にわたって研究・展覧会活動

が続けられてきた。近年、こうした努力が一定の成果を上げたと認識されている。

更に北米におけるアジア系移民の増加・多元化といった状況を受け、より多層的

・越境的な”Asian-American”の枠組みの構築を目指す新たな局面を迎えている。

 

 こうした“Asian-American art研究の動きが、「日本」近代美術研究に示唆

するものは決して少なくないだろう。 “Asian-American”の均質性を問い直す

視点や“Transpacific”などの新たなフレームワークは、戦後に渡米・移住を選

択した谷口富美枝を含む多くの「日本人」アーティストを再考するための、一つ

の視座と考えられる。

 


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【  その他のお知らせ  】

(1)【2015年度日本女性学習財団賞レポート募集】
   http://www.jawe2011.jp/nii_awards/index2015.html
   公益財団法人日本女性学習財団では、男女共同参画社会実現のために、
  社会・地域・家庭の中でさまざまな困難や課題を乗り越えてきた過程を
  ふり返った実践・研究レポートを募集します。
   レポートの内容は、社会教育・生涯学習活動、女性運動、NPOおよ
  びNGO活動、地域活動、家庭生活、職業生活、震災経験や復興に向け
  た営みなど、はば広い領域を対象とします。
  賞-------------大 賞 1篇 副賞 10万円
                   奨励賞 2篇 副賞 各5万円
                   ※特に選考委員から推薦があった場合、
                   選考委員特別賞(副賞1万円)を設けることもあります。
  応募資格----趣旨に関心をもつ個人およびグループ。
                性別・国籍を問いません。
  締切----------2015年8月31日(月) 当日消印有効
  ※詳しくはホームページをご覧ください。
   http://www.jawe2011.jp/nii_awards/index2015.html

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 会員からの催し物・募集等のお知らせについては、当学会は責任を負いま
せん。また、お問い合わせも当学会主催による催し物・募集等以外について
は、各主催者に直接お問い合わせいただけますよう、お願い申し上げます。
 
                       ジェンダー史学会事務局

2015年6月26日金曜日

お知らせ(2015年7月)

ジェンダー史学会ニューズレター        2015年7月号
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このニューズレターには、会員の皆様からお寄せいただいたジェンダー
史研究関連の催事の情報のほか、公募や出版の情報などさまざまなジェ
ンダー史研究関連の情報を掲載する予定です。
情報をお気軽にお寄せいただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し
上げます。
情報をお持ちの方は、毎月25日までに、
genderhistory1@khh.biglobe.ne.jp
までメール(テキストファイル)にてお寄せください。とりまとめて、
毎月末に会員の皆様に宛てて配信いたします。
次回の配信日は2015年7月末を予定しており、締め切りは
7月25日(土)となります。

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2015年7月号  目次


【  催事情報:1件  】  
   


(1)総合女性史学会 修士論文発表会開催のお知らせ
     日 時:2015年7月18日(土)14:00~
     会 場:文京区男女平等センター 
     
【  その他のお知らせ:1件  】


(1)2015年度「日本女性学習財団賞」レポート募集

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【  催事情報  】
                                      


(1) 総合女性史学会 修士論文発表会開催のお知らせ


     日 時:2015年7月18日(土)14:00~


     会 場:文京区男女平等センター D研修室


     報告者:堀川祐里氏


     テーマ:赤松常子の思想の時期的変容―戦前からGHQ占領期を中心に―


    概 要
          赤松常子は、1897年(明治30年)に生まれ、大正・昭和を生きた女性運動家
   である。1965年(昭和40年)に没してから、その労働運動や政治活動について
   は現在までに数多くの研究や文学作品において断片的に知ることができるが、
   赤松常子自体について、その研究はごくわずかでこれまで進展することがなか
   った。本報告は、赤松が執筆した雑誌、新聞記事、論文、加えて座談会や国会
   における発言等から、赤松常子の思想の時期的変容を実証的に明らかにする
   ものである。本報告では、赤松の生い立ちから、参議院議員第1期目の1953年
   までを対象時期とする。赤松というひとりの女性運動家を軸にしてみた労働組
   合運動の一面は、男性運動家のそれとは様相が異なる。今回の報告では特に、
   戦前における労働運動において赤松が「婦人問題」をいかに捉えていたかにつ
   いて報告する。また戦前は封建主義批判を行っていた赤松が、戦局が深まる中
   で「家族の美風」を賛美したところから、戦後再度「封建性」を批判するようにな
   るという、戦争を基点とする思想の時期的変容を明らかにする。


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【  その他のお知らせ  】


(1)【2015年度日本女性学習財団賞レポート募集】
   http://www.jawe2011.jp/nii_awards/index2015.html
    公益財団法人日本女性学習財団では、男女共同参画社会実現のために、社会
  ・地域・家庭の中でさまざまな困難や課題を乗り越えてきた過程をふり返った実践・
  研究レポートを募集します。
    レポートの内容は、社会教育・生涯学習活動、女性運動、NPOおよびNGO活動、
  地域活動、家庭生活、職業生活、震災経験や復興に向けた営みなど、はば広い領
  域を対象とします。
     
       賞-------------大 賞 1篇 副賞 10万円
                           奨励賞 2篇 副賞 各5万円
                   ※特に選考委員から推薦があった場合、
                   選考委員特別賞(副賞1万円)を設けることもあります。
       応募資格----趣旨に関心をもつ個人およびグループ。
                         性別・国籍を問いません。
       締切----------2015年8月31日(月) 当日消印有効
      
       ※詳しくはホームページをご覧ください。
       http://www.jawe2011.jp/nii_awards/index2015.html


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  会員からの催し物・募集等のお知らせについては、当学会は責任を負いません。
また、お問い合わせも当学会主催による催し物・募集等以外については、各主催者
に直接お問い合わせいただけますよう、お願い申し上げます。
 


                                    ジェンダー史学会事務局

2015年5月26日火曜日

お知らせ(2015年6月)

ジェンダー史学会ニューズレター        2015年6月号
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このニューズレターには、会員の皆様からお寄せいただいたジェンダー史研究
関連の催事の情報のほか、公募や出版の情報などさまざまなジェンダー史研
究関連の情報を掲載する予定です。
情報をお気軽にお寄せいただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げま
す。
情報をお持ちの方は、毎月25日までに、
genderhistory1@khh.biglobe.ne.jp
までメール(テキストファイル)にてお寄せください。とりまとめて、毎月末に会員
の皆様に宛てて配信いたします。
次回の配信日は2015年6月末を予定しており、締め切りは6月25日(木)とな
ります。

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2015年6月号  目次




【 ジェンダー史学会からのお知らせ:2件 】




(1)ジェンダー史学会春のシンポジウム
   「鹿児島に生きたおんなたち
              ―生活記録をめぐる語りから歴史を紡ぐ」
   日時:2015年5月30日(土) 13:00~17:00
   場所:かごしま県民交流センター 




(2)ジェンダー史学会第12回年次大会運営委員会からのお知らせ
   ジェンダー史学会第12回年次大会自由論題研究発表の募集
 





【  催事情報:1件  】  
   





(1)総合女性史学会6月例会
     「下野市甲塚古墳の埴輪群像-女性首長と機織形埴輪-」 
        日時:2015年6月13日(土) 13:30~16:30 
   場所:港区立男女平等参画センター 



【  その他のお知らせ:1件  】




(1)2015年度「日本女性学習財団賞」レポート募集



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【 ジェンダー史学会からのお知らせ 】




(1)ジェンダー史学会春のシンポジウム 
  


1,シンポジウム・テーマ
  「鹿児島に生きたおんなたち―生活をめぐる語りから歴史を紡ぐ」




2,企画趣旨
 鹿児島のジェンダー史研究は、厳しい自然条件を跳ね返す、鹿児島の女性た
ちの多彩で豊かな歴史的歩みに比して、実に不振な状況である。前近代から現
在までの著名女性に対する伝記、いくつかの地域や婦人団体の活動記録、生活
手記類は刊行されていて、それ自体刮目すべき内容をもっているが、通史を書
くだけの研究の蓄積はなされていない。私たち「ジェンダー史学会」春のシン
ポジウム実行委員会は、鹿児島の女性たちの粘り強くたゆみない「生」を記録
するにとどまらず、それを歴史として叙述できるような基盤を構築し、将来の
研究につなげたいと考えた。したがって、この春のシンポジウムは研究が手薄
な中で、今できるところから始め、微力ながら鹿児島ジェンダー史研究の出発
点となる基礎的作業を行うことを、目標にしている。
 具体的には、①農村や漁村、開拓村、婦人団体活動、社会運動など様々な場
で道を開いてきた先輩たちのインタビューとその記録作業(DVD自主製作)、
②将来、鹿児島女性の通史を書く土台の整備作業(文献目録・年表作成)である。
 シンポジウムにおいては、基調講演と自主製作DVDで、鹿児島女性たちの戦前
から現在までの生を語ってもらい、講演とコメントでそのようなオーラルヒスト
リーの背後にある鹿児島の構造的な歴史的背景を明らかにする。総合討論とあわ
せて、現在に至っても女性差別が他地域より特に強いと言われる鹿児島の構造的
な問題を抽出できればと考えている。




3,開催予定日・場所・申し込み
        2015年5月30日(土)  13:00~17:30
    かごしま県民交流センター 大会議室                  
           〒892-0816 鹿児島市山下町14-50
           電話:099-221-6600(代表)
       
        入場無料・事前申し込み不要




4,プログラム
    13:00~13:05  開会挨拶・趣旨説明
                       井上和枝(鹿児島国際大学)
    13:05~13:45  基調講演 相星雅子(作家)
                   「生活記録からみた鹿児島女性史」
    13:50~14:50  自主製作DVD「鹿児島に生きる」上映
    14:50~15:05  コーヒーブレイク
    15:05~15:50  講演  疋田京子(鹿児島県立短大)
             「鹿児島ジェンダー史研究の可能性とその視座」
    15:50~16:35  調査報告
                      山田晋(鹿児島国際大学)
                     「女性解放運動の先覚者・勝目テルの鹿児島時代」
           佐々木陽子(鹿児島国際大学)
                     「枕崎の銅像から見えてくるジェンダー」
                      鶴田かおり(ジェンダー史学会会員)
                     「鹿児島女性史文献目録を作成して」
    16:35~17:-30   総合討論      司会 井上和枝




5,共催
    鹿児島国際大学 
    
    後援
    鹿児島県男女共同参画センター
    鹿児島市
        南日本新聞社
    MBC南日本放送




6,懇親会
    時間:18:00~
        場所:宝山ホール2F カフェ マ・ナ~ナ
              (シンポジウム終了後団体移動)
        会費:1000円
    申し込み 
          会員は事前に、非会員は当日シンポジウム会場にて申し込み
     司会          有松しづよ(志學館大学)
     開会挨拶         舘かおる
                                      (ジェンダー史学会代表)
     鹿児島シンポジウムを開いて  山崎喜久枝
                                      (鹿児島シンポジウム実行委員)
     閉会挨拶         野村鮎子(ジェンダー史学会常任理事)




7,連絡先
   井上和枝(鹿児島国際大学)
           099-263-0141(研究室)
           kazue-i@int.iuk.ac.jp



(2)ジェンダー史学会第12回年次大会運営委員会からのお知らせ<添付あり>
   ジェンダー史学会第12回年次大会自由論題研究発表の募集
  


  ジェンダー史学会12回年次大会は、2015年12月13日(日)に大妻女子大学
  で開催される予定ですが、自由論題による研究発表(午前10時~12時)を、
  会員の皆様から個人とパネルの2形式で募っております。研究発表をご希望
  の方、またはグループは、2015年6月10日(水)までに下記の要領で大会運営
  委員会までお申し込み下さい。
 
 1. 形式
 ① 個人(時間: 発表20分、質疑応答10分)
 ② パネル(時間: 発表、質疑応答を含め60分、時間の配分、
    パネリスト数など自由)
 


 2. 申し込み方法
 エントリーシート(添付ファイル)に必要事項を記入の上、電子メールまたは郵
 便(申し込み締切日必着)で大会運営委員会までお申し込み下さい。
 


 3. 司会
 個人発表につきましては、大会運営委員会で準備いたします。パネル形式の場
 合は、発表グループの方でご準備下さい。
 なお、研究発表の採否につきましては、2015年7月5日(日)までに、電子メー
 ルまたは郵便で通知させていただきます。時間の制約その他の事情により、や
 むを得ずお申し込みにお応えできない場合もありますことを、あらかじめご了
 承下さい。
 
 第12回年次大会の開催にあたり、運営全般にわたって皆様方のご協力を賜ります
 よう、このご案内かたがたお願い申し上げます。
 2015 年 5月 24日
 


 申し込み先:
 E-mailの場合: ghjiyurondai@gmail.com
 郵便の場合 〒166-8532 東京都杉並区和田3-30-22 
       大学生協学会支援センター内
       ジェンダー史学会事務局 
       ジェンダー史学会第12回年次大会運営委員会 宛



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【  催事情報  】
                                      


(1)総合女性史学会6月例会(古代・中世)
  テーマ 「下野市甲塚古墳の埴輪群像-女性首長と機織形埴輪-」 
  報告者 日高慎(東京学芸大学准教授)
  日時:2015年6月13日(土) 13:30~16:30 
  場所:港区立男女平等参画センター リーブラ  多目的室1・2
   〔港区芝浦1-16-1みなとパーク芝浦 JR田町駅東口徒歩5分〕
  資料代:300円
 〈参考文献〉
  ・大阪府立近つ飛鳥博物館編 2008『埴輪群像の考古学』青木書店
  ・一瀬和夫編 2013
    『新発見 週間日本の歴史 古墳時代2ヤマト王権誕生の実態』
     朝日新聞出版



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【  その他のお知らせ  】


(1)【2015年度日本女性学習財団賞レポート募集】<添付あり>
   http://www.jawe2011.jp/nii_awards/index2015.html
   公益財団法人日本女性学習財団では、男女共同参画社会実現のために、
  社会・地域・家庭の中でさまざまな困難や課題を乗り越えてきた過程を
  ふり返った実践・研究レポートを募集します。
   レポートの内容は、社会教育・生涯学習活動、女性運動、NPOおよ
  びNGO活動、地域活動、家庭生活、職業生活、震災経験や復興に向け
  た営みなど、はば広い領域を対象とします。
  賞-------------大 賞 1篇 副賞 10万円
                   奨励賞 2篇 副賞 各5万円
                   ※特に選考委員から推薦があった場合、
                   選考委員特別賞(副賞1万円)を設けることもあります。
  応募資格----趣旨に関心をもつ個人およびグループ。
                性別・国籍を問いません。
  締切----------2015年8月31日(月) 当日消印有効
  ※詳しくはホームページをご覧ください。
   http://www.jawe2011.jp/nii_awards/index2015.html
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2015年度日本女性学習財団賞レポート応募のための説明会 開催
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   募集の趣旨や応募規定、選考基準など、応募に関するご質問にお答えします。
  また、今回は2014年度大賞受賞者酒井かな子さんに、レポート執筆で工夫・苦
  心した点など、経験者ならではのお話を伺います。
   お気軽にご参加ください。
  日時:2015年6月20日(土)午後1時30分~3時
  会場:日本女子会館5階 スペースWe learn
    (最寄駅 JR浜松町、都営浅草線/都営大江戸線大門、都営三田線芝公園)
  資料代:1,000円(受賞レポート集)
  定員:20人
  ※要事前申込み
  ※参加が選考に関係することは一切ありません。
  ※当日の内容は財団HPに掲載します。
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『2014年度「日本女性学習財団賞」受賞レポート集 学びがひらく vol.4』
     好評発売中!! 1部 953円(税・送料別)
  http://www.jawe2011.jp/publish/gaku/201503_report.html
==========================================================
********お申込・お問合せ********
  公益財団法人日本女性学習財団
  日本女性学習財団賞係
  105-0011 東京都港区芝公園2-6-8
  TEL/03-3434-7575
  FAX/03-3434-8082
  jawe@nifty.com
  http://www.jawe2011.jp
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 会員からの催し物・募集等のお知らせについては、当学会は責任を負いま
せん。また、お問い合わせも当学会主催による催し物・募集等以外について
は、各主催者に直接お問い合わせいただけますよう、お願い申し上げます。
 
                       ジェンダー史学会事務局