2012年11月27日火曜日

お知らせ(2012年12月)

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ジェンダー史学会ニューズレター      2012年12月号
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このニューズレターには、会員の皆様からお寄せいただいた
ジェンダー史研究関連の催事の情報のほか、公募や出版の情報など、
さまざまなジェンダー史研究関連の情報を掲載する予定です。
情報をお気軽にお寄せいただければ幸いです。何卒よろしくお願い
申し上げます。
情報をお持ちの方は、毎月25日までに、
genderhistory1@khh.biglobe.ne.jp
までメールにてお寄せください。とりまとめて、毎月末に会員の
皆様に宛てて配信いたします。
次回の配信日は2012年12月末を予定しており、締め切りは
12月25日(日)となります。

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2012年12月号  目次
【 ジェンダー史学会からのお知らせ:1件 】
(1)2012年度 第9回ジェンダー史学会大会
   日時:2012年12月8日(土)
   場所:東京外国語大学府中キャンパス研究講義棟 
【 催事情報:1件 】
(1)総合女性史研究会第129回例会 近世史例会「近世身分制と女性」
   日時:2012年12月15日 13:30~16:30
   場所:文京区男女平等センターD研修室
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【 ジェンダー史学会からのお知らせ 】
2012年度 第9回ジェンダー史学会大会
12月8日(土)
於:東京外国語大学府中キャンパス 研究講義棟 
http://www.tufs.ac.jp/access/tama.html
(会場近くには、3軒ほどコンビニエンスストアがあります)

受付開始   9:30~     
自由論題発表 10:00~12:00 
総会     13:00~13:45 
シンポジウム 14:00~17:30
茶話会    18:00~19:00    
大会参加費:一般参加1500円/会員1000円
      院生(会員・非会員共通)500円
      学部生 無料(学生証提示のこと)
茶話会参加費:500円
問合せ先
〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1 
東京外国語大学府中キャンパス 野本京子研究室
第9回ジェンダー史学会大会事務局 nomoto-kyo@tufs.ac.jp
○ シンポジウム 「民主化」とジェンダー
<趣旨>
 2010年から2011年にかけ、アラブ世界で広く反政府/民主化運動が
起こったのは周知の事実である。「アラブの春」と総称されるこう
した動きは、東南アジア諸国の一部や中国など、アラブ以外の地域や
国々にも影響を与えるのではないかとも言われ、その兆候はあったが
政府によって抑え込まれた事例も散見された。
 こうした現代世界における動向は、改めて、「民主化」とは何なの
か、という問題に私たちの関心を向かわせる。
 近年、「民主主義」をナショナル・アイデンティティ(あるいは、
自己イメージ)の一部に組み込んでいるアメリカ合衆国や、「民主
化」されて久しいはずの日本においては、その制度の機能不全が懸念
されている。両国において見られるのは、権力の集約の困難と経済的・
社会的不安の中で、強権主義的な主張やリーダーが、かえって人々の
支持をとりつけるという現象である。これは、ワイマール共和国の
経験に似ていないだろうか。
 また、アラブにおける「民主化」運動は、結果として「宗教的保守」
勢力に権力を掌握させる可能性を大きくするようにも見える。「宗教的
保守」派は、しばしば、異なる意見に対する寛容度が低く、特に女性
には厳格な行動枠組みを設定する傾向が歴史のなかで指摘されてきた。
これは、「民主化」という言葉で通常私たちがイメージする方向とは
逆の結果を「民主化」運動が起こしているということなのだろうか。
 このことは、1830年代にアメリカ合衆国の白人の間で民主主義社会が
成立したとき、現代的な観点からすると抑圧的とも言える役割が女性に
割り当てられていたことを思い出させる。当時、女性は選挙権を持たず、
政治的部外者と位置づけられていた。それにもかかわらず、いや、
だからこそ、白人女性は、キリスト教と結びつき、道徳的規律を保持
する「道徳の守護者」という役割を通じて、民主主義の維持に欠くべから
ざる役割を負うはずであった。民主主義が、自分勝手な欲望の暴発、
無政府状態にならないよう、その成員各個人の自己抑制を涵養する
こと――ルソー的に言えば、成員が「一般意志」に従うよう仕向ける
こと――を、白人女性は期待されていた。その役割は白人女性の権力の
源泉でもあったが、また、白人女性自身が「自己犠牲」の振る舞い――
現代では窮屈としか言いようがないような――を体現せねばならなかった。
 現代アメリカで政治的影響力を増している宗教右翼は、このような
かつての役どころに再び女性を回収することを主張し、フェミニズムに
敵対する。
 本シンポジウムでは、現代のサウジアラビアとミャンマー、1970年代の
韓国の事例を参照しながら、今日の「民主化」運動は、何を目指している
のか、運動におけるヘゲモニックな潮流は、女性と男性にそれぞれどの
ようなジェンダー役割を振り与えようとしているのかを問う。さらに、
女性たちは「民主化」運動のなかで、どのような女性固有の要求を実現
しようとしているのかも考えてみたい。このような問いを発する際、
「女性たち」のなかにも、様々な、ときに、するどく対立する要求が
存在する可能性についても留意する必要があろう。シンポジウムを通じ、
「民主化」の意味について、ジェンダーの観点から思索が深められる
ことを期待したい。
<報告者>
・辻上奈美江(東京大学)
  「アラブの春」でサウジアラビアの女性は民主化を求めたのか
・土佐桂子(東京外国語大学)
  ミャンマーの民主化プロセスとジェンダー―軍隊・僧侶・アウン
  サンスーチー―
・宋 連玉(青山学院大学)
  ジェンダーの視点から見た韓国民主化の歴史的意義と課題
コメンテーター 長 志珠絵(神戸大学)、松本礼二(早稲田大学)
趣旨説明・司会 小檜山ルイ(東京女子大学)
<自由論題報告>
部会A(司会:高松百香)
10:00~10:35 難波美緒(早稲田大学大学院)
        「阿豆那比の罪の検討」(仮)
10:40~11:15 鈴木則子(奈良女子大学)
        「江戸時代の労?(結核)とジェンダー」
11:20~11:55 上野裕子(貝塚市教育委員会)
        「近現代における建築とジェンダー」
部会B(司会:榎一江)
10:40~11:15 粟倉大輔(中央大学大学院)
        「明治期の「再製茶女工」の実態とイメージ形成」
11:20~11:55 李杏理(一橋大学大学院)
        「「解放」直後在日朝鮮人による濁酒闘争と
          ジェンダー―1945-1949」
部会C(司会:高橋裕子)
10:00~10:35 北原零未(東京家政学院大学)
        「日仏の人工授精制度―“少子化対策”と
         “子供を持つ権利/子供の権利”」
10:40~11:15 富田裕子(成城大学)
        「英国の婦人参政権運動とそれが日本の
         婦人運動に及ぼした影響について」
11:20~11:55 洲崎圭子(お茶の水女子大学大学院)
        「女性作家の語りの手法とその思想
         ―二本の長編小説をつなぐ「女」たち」
部会D(司会:水戸部由枝)
10:40~11:15 小玉亮子(お茶の水女子大学)
        「20世紀前半のドイツにおける家庭教育の展開」
11:20~11:55  石井香江(同志社大学)
        「「父親にも育児休業を!」
            ―1970~80年代の西ドイツにおける
             「新しい家族政策」構想」
ジェンダー史学会HP   http://ghaj.jp/index.html

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【 催事情報 】
(1)総合女性史研究会・第129回例会のお知らせ
  近世史例会「 近世身分制と女性 」
報  告 長島 淳子氏(国士舘大学・非常勤講師)
コメント 曽根ひろみ氏(神 戸大学・名誉教授)
日  時 2012年12月15日 13:30~16:30
開催場所 文京区男女平等センター D研修室
趣  旨 
近世身分制研究は、1970年代以降近世史研究の根幹部分
を占めてきたが、その研究視角からごっそり抜け落ちて
いたのが女性である。身分制はとりわけ被差別部落研究
と不可分に進んだが、そうした関心から主たる身分(例
えば士農工商など)とその周縁身分との相関関係や、社
会構成体論・集団論などには研究が蓄積され成果を上げ
てきた。しかし、主たる身分構成外である女性は、周縁
身分研究の中でさえ注目されることはなかった。女性と
身分制に関心を持ち、真っ向から切り込んだ研究は皆無
といってもよいだろう。そこで今回は、身分制研究から
欠落した女性に視点を当てることを論集の目標に掲げた
『〈江戸〉の人と身分』4 藪田貫・柳谷慶子編『身分の
なかの女性』を手がかりに、近世身分制と女性をどのよ
うに把握評価するのかという問題について考えてみたい。
参考文献
藪田貫・柳谷慶子編『身分の中の女性』(吉川弘文館20
10年)、朝尾直弘著『都市と近世社会を考える』(朝日新
聞1995年)、深谷克巳著『近世の国家・社会と天皇』(校
倉書房1991年)など。

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掲載された催し物・募集等へのお問い合わせは、当学会についての
お知らせ以外、ジェンダー史学会では受け付けておりません。
お手数ですが、主催者に直接お問い合わせいただけますよう、
お願い申し上げます。
ジェンダー史学会事務局

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