ジェンダー史学会ニューズレター 2013年4月号
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このニューズレターには、会員の皆様からお寄せいただいた
ジェンダー史研究関連の催事の情報のほか、公募や出版の情報など、
さまざまなジェンダー史研究関連の情報を掲載する予定です。
情報をお気軽にお寄せいただければ幸いです。何卒よろしくお願い
申し上げます。
情報をお持ちの方は、毎月25日までに、
genderhistory1@khh.biglobe.ne.jp
までメールにてお寄せください。その際、配信用の原稿を送付下さ
いますようお願い致します。とりまとめて、毎月末に会員の
皆様に宛てて配信いたします。
次回の配信日は2013年4月末を予定しており、締め切りは
4月25日(木)となります。
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2013年4月号 目次
【 ジェンダー史学会からのお知らせ:1件 】
(1)シンポジウム
「歴史のなかのセクシュアリティ―同性愛/性的指向の比較文化史」
日時:2013年6月8日(土)13:00~17:00
場所:奈良女子大学
【 催事情報:4件 】
(1)シンポジウム
「教養教育は何の役に立つのか?――ジェンダー視点からの問いかけ」
日時:2013年6月29日(土)13:00~17:00
場所:日本学術会議講堂
(2)バウラックセミナー
「『慰安婦』は『公娼』なのか?」
日時:2013年4月20日(土) 14:00~
場所:早稲田奉仕園内・キリスト教会館
(3)女性作曲家を聴く・その8
激動の昭和を生きた女性作曲家 吉田隆子の世界
日時:2013年4月10日(水)19:00~
場所:ルーテル市ヶ谷センター
(4)石井亮一・筆子を読む会
長島要一氏(コペンハーゲン大学教授)講演会
日時:2013年4月28日(日)14:00~16:00
場所:滝乃川学園
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【 ジェンダー史学会からのお知らせ:1件 】
(1)ジェンダー史学会春のシンポジウム
「歴史のなかのセクシュアリティ―同性愛/性的指向の比較文化史」
<企画趣旨>
セクシュアリティは重要な人権の1つである。近年の国際社会では、ジ
ェンダー主流化の流れに即して性的指向にもとづく差別を禁止し、セク
シュアル・アイデンティティを保障する動きが強まっている。同性婚や同
性間パートナーシップを合法化する国も増えた。しかしながら、セクシュ
アリティの権利を抑圧する差別や暴力が消えたわけではない。今回のシ
ンポジウムでは、セクシュアリティに関する多様な問題群のなかでも、とく
に権利をめぐる変化が著しい同性愛の問題に焦点をあてたい。セクシュ
アリティ規範は宗教や文化と深く結びついている。国家や共同体などの
公権力もまたセクシュアリティの管理に強い関心を抱いてきた。セクシュ
アリティが婚姻や生殖(再生産)の問題とつねに不可分だからである。し
かしながら、キリスト教社会やイスラム教社会とは異なり、日本では異性
愛主義が法規範として貫徹されたわけではない。ただし、それは性愛や
性的指向の権利を認めてきたことを意味しない。今日の日本は近隣の
アジア諸国と比べてもジェンダー主流化が著しく立ち後れ、セクシュアリ
ティの多様性を尊重する社会にはほど遠い。このような原因はいったい
どこにあるのか。
シンポジウムでは歴史学・法学・文学のそれぞれの視点から同性愛を
含む性的指向や非異性愛の意味づけについて論じ、将来への展望を拓
くための手がかりを探りたい。
<日時>
2013年6月8日(土) 13:00~17:00シンポ、終了後に茶話会
<場所>
奈良女子大学文学系S棟(南棟)2階S235教室(近鉄奈良駅より徒歩5分)
アクセス http://www.nara-wu.ac.jp/map/accessmap.html
<プログラム>
12:30 受付開始・開場
13:00~13:05 開会挨拶・総合司会 野村鮎子
(奈良女子大学アジア・ジェンダー文化学研究センター長)
13:05~13:30 三成美保(奈良女子大学)
企画説明
「同性愛の位相-歴史学と法学のコラボから見えてくるもの」
13:30~14:00 木村朗子(津田塾大学)
「性愛を規制するものはなにか―摂関期宮廷社会の性の配置」
14:00~14:30 内田雅克(東北芸術工科大学)
「ウィークネス・フォビアとホモ・フォビア」
14:30~15:00 谷口洋幸(高岡法科大学)
「国連システムにおける同性愛/性的指向と人権保障の展開」
15:00~15:10 休憩
15:10~15:30 コメント1 田野大輔(甲南大学)
15:30~15:50 コメント2 二宮周平(立命館大学)
15:50~17:00 討論 司会:長志珠絵(神戸大学)
鈴木則子(奈良女子大学)
<共催>
奈良女子大学アジア・ジェンダー文化学研究センター
ジェンダー法学会関西部会
<託児>
「奈良女子大学イベント託児システム」の利用が可能。
生後3か月~小学校6年までの子どもが対象です。利用希望の方は、2週間前までに下記に連絡ください。
<問い合わせ先>
奈良女子大学アジア・ジェンダー文化学研究センター
tel/fax:0742-20-3611 Email:a-gender.c@cc.nara-wu.ac.jp
<参加費>
シンポジウム無料、茶話会500円
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【 催事情報 】
(1)シンポジウム
「教養教育は何の役に立つのか?――ジェンダー視点からの問いかけ」
<企画趣旨>
IT化の急速な進展、知識基盤社会の浸透、グローバルな教育の格付
けとそれと連動した(かに思われる)若者のトランスナショナルな移動をう
けて、日本社会における大学の役割も大きく変化しつつある。それを受
けて、各専門分野についてはその質保証が議論されるなか、全学共通
科目については、外国語や情報、キャリアと関係するスキル科目が増え
る一方、いわゆる「教養科目」はその比重を落としつつあるのが現状で
ある。大学における教養教育は何の役に立つのか?それを身につけれ
ば、現代世界が抱える諸問題を見る見方がどのように変わるのだろう
か?こうした問いと同時に求められているのは、「教養」そのものの問い
直しだろう。歴史学と法学は、伝統的な教養科目であった。これらをジェ
ンダー視点から組み替えたときに、「教養」科目の内実や役割は具体的
にどう変わりうるのか?本シンポジウムは、「教養教育」の再定位に向け
た試みの一つである。国際社会や実業界が期待する「教養」の内実を知
り、文系・理系の枠を超えた学際的教養への変革を展望しつつ、問題提
起をしてみたい。
<日時>
2013年6月29日(土)13:00~17:00
<場所>
日本学術会議講堂
<プログラム>
司会:大日方純夫(早稲田大学教授・日本学術会議連携会員)
武田万里子(津田塾大学教授・日本学術会議連携会員)
13:00~13:10 開会挨拶・趣旨説明
井野瀬久美恵(甲南大学教授・日本学術会議第一部会員)
13:10~13:35 報告1
姫岡とし子(東京大学教授・日本学術会議連携会員)
「ジェンダー史研究の成果は浸透したのか?」
13:35~14:00 報告2
小浜正子(日本大学教授・日本学術会議連携会員)
「東アジアをジェンダー史から読み直す」
14:00~14:25 報告3
三成美保(奈良女子大学教授・日本学術会議連携会員)
「市民教養としてのジェンダー法学-共生のための技法を学ぶ」
14:25~14:50 報告4
小林傳司(大阪大学教授・日本学術会議連携会員)
「教養教育がなぜ『役に立つのか』を問われるのか?」
14:50~15:00 休憩(質問用紙の回収)
15:00~15:15 コメント1 佐藤千佳
(日本マイクロソフト(株)執行役・人事本部長)
「企業が求める教養(仮)」
15:15~15:30 コメント2 藤垣裕子
(東京大学教授・日本学術会議連携会員)
「理系と文系の教養教育を架橋する(仮)」
15:30~15:45 コメント3 林陽子
(弁護士・国連女性差別撤廃委員会委員)
「多極化する世界の中での教養」
15:45~16:55 討論
16:55~17:00 閉会挨拶 浅倉むつ子
(早稲田大学教授・日本学術会議第一部会員)
<主催>
日本学術会議
<共催>
日本学術会議史学委員会「歴史学とジェンダーに関する分科会」
日本学術会議法学委員会「ジェンダー法分科会」
日本学術会議社会学委員会「複合領域ジェンダー分科会」
<後援(予定)>
ジェンダー法学会・ジェンダー史学会・日本教育学会
(2)バウラックセミナー
「『慰安婦』は『公娼』なのか?」
<内容>
安倍首相たちが ”The Facts” と題した意見広告をワシントンポスト
紙に掲載し、そのなかで、日本軍の「慰安婦」は「世界にありふれた公娼
制度の下で働いていた女性たちだった」と述べたことはよく知られていま
す。そして、このような認識は日本社会において相当流通しています。
確かに公娼制度下の女性たちが「慰安婦」になったケースが存在しま
した。しかしもちろん「慰安婦」と「公娼」は同じではありません。また、
1920年代以降の時期になると、女性の人権に関する国内外の認識が高
まり、公娼制度自体が廃止すべき非人道的な制度としてすでにみなされ
るようになっていました。
そこで今回のセミナーでは、近代日本の公娼制度とはどのような制度
だったのか、それは当時において国内外でどのように批判されていたの
か、にもかかわらず、日本政府は公娼制度の廃止をどのように回避した
のか、公娼制度は「慰安婦」の徴集にあたってどのような役割を果たし
たのか、などの点に関して考えます。
<日時>
2013年4月20日(土) 14:00~
<場所>
早稲田奉仕園内・キリスト教会館6階 A・B会議室
*wam(AVACOビル)向かいの建物。
東西線早稲田下車徒歩7分・バス西早稲田下車徒歩3分
<講師>
小野沢あかね(立教大学文学部)
<資料代>
800円
<主催>
「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)
(3)女性作曲家を聴く・その8
激動の昭和を生きた女性作曲家 吉田隆子の世界
<日時>
2013年4月10日(水)19:00~
<場所>
ルーテル市ヶ谷センター
<内容>
演奏曲目 君死にたもうことなかれ、組曲《道》より(歌曲)
ヴァイオリン・ソナタ ニ調(ヴァイオリン曲)
カノーネ、バラード(ピアノ曲)青年の歌(2つのヴァイオリン)
出演 大谷康子(ヴァイオリン) 波多野睦美(メゾ・ソプラノ)
山田武彦(ピアノ) 賛助出演・中川直子(ヴァイオリン)
<入場料>
3,000円(全席自由)
<お問合せ/ホームページ>
http://www.ac.auone-net.jp/~women/
E-Mail:women-music@mbr.nifty.com
TEL&FAX:03-3381-7989(辻浩美)
<主催>
女性と音楽研究フォーラム(代表:玉川裕子/企画・構成:辻浩美)
(4)石井亮一・筆子を読む会
長島要一氏(コペンハーゲン大学教授)講演会
<日時>
2013年4月28日(日)14:00~16:00
<会場>
社会福祉法人滝乃川学園 石井亮一・筆子記念館2階講堂
<交通>
JR南武線「矢川」駅徒歩8分
<内容>
デンマークで報じられた鹿鳴館の貴婦人
―新発見の石井筆子資料をめぐって―
<参加費>
無料
<申し込み締め切り>
4月26日(金)
<お問合せ/申し込み>
070-5060-3459(担当:中村)
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掲載された催し物・募集等へのお問い合わせは、当学会についての
お知らせ以外、ジェンダー史学会では受け付けておりません。
お手数ですが、主催者に直接お問い合わせいただけますよう、
お願い申し上げます。
ジェンダー史学会事務局
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